The previous night of the world revolution8~F.D.~

「でも、箱庭帝国って貧しい国でしょう?観光地なんてあるのかしら」

「それが、意外や意外。色んな観光スポットがあるんですよ。箱庭帝国は特に、独自の文化が発展してきた国ですからね」

ルヴィア嫁のふるさと、秘境の里とかが代表的だよな。

「そうなんですの?ルナニアさん、詳しいんですのね」

「実は、箱庭帝国の外交大使と個人的な知り合いでしてね。もし良かったら、現地の観光案内を頼んでも良いですよ」

「本当ですの?ちょっと興味がありますわ」

外交大使って…ルアリスのことだよな?

ルレイア、お前…そんな爽やかな笑顔で、仮にも一国の代表をガイドに使おうとは…。

使えるものは何でも使うという、ルレイアの強い意志を感じる。

「でもわたくし、今一番行ってみたい外国の国があるんですの」

「ほう、何処でしょう?」

「シェルドニア王国ですわ」

「…」

これには、ルレイアも一瞬真顔になった。

俺も噴き出すかと思った。

シェルドニア王国…だと…?

「とっても治安の良い国だと聞いていますわ。それに、観光名所もたくさんあるとか…」

「…」

「王宮も、町並みの景色も、真っ白な建物ばかりが並んでいるでしょう?さながら雪景色のようだとか…。是非見てみたいですわ」

「…別に、綺麗なものじゃありませんけどね…」

「え?」

「いえ、何でもありません」

ルレイア。本音が出ちゃってる。

そりゃあな…。俺達にとっては、シェルドニア王国なんて…。

2位に大きく差をつけて、二度と行きたくない国堂々の1位だ。

でも、事情を知らない人にとっては…「行ってみたい国」なんだろうな。

治安の良さは折り紙付きだしな。

それに、数日旅行するくらいだったら、『白亜の塔』による洗脳は効果がないから…。

そういう意味では安全なのだろうが、『白亜の塔』の正体を知る俺達は、絶対に行きたくない。

特にルレイアは、その『白亜の塔』の犠牲になった訳で…。

「いえ、海外旅行に行くなら箱庭帝国ですよ。シェルドニア王国より近くて、気軽に行けますしね。ルティス語も通じますし。非常におすすめです」

箱庭帝国を全力プッシュしている。

うん。その気持ちはよく分かる。

「まぁ、そうですの?ルナニアさんがそこまで仰るなら、ちょっと興味が湧いてきましたわ」 

ルレイアがあまりに勧めてくるものだから、ちょっとその気になってるマリーフィア。

上手いこと誘導してんな、ルレイア…。さすがである。