The previous night of the world revolution8~F.D.~

…俺は馬鹿だから、こういう社会問題について、どう対応したら良いのかさっぱり分からない。

でも、俺より遥かに学があって、賢いルレイアなら。

もっと、違う意見があるかもしれない。

「ルレイア…お前はどう思う?」

「はい?」

「ばっちり解決するんだろ?」

その言葉が嘘でないなら、少しでも何か良い方法を、

「そうですね…。仕方ない。それなら、俺が全てを解決する素晴らしい方法を教えてあげましょう」

ほう。やっぱりルレイアには秘策があるのか。

さすがだ。

「女性しか働けない会社をたくさん作れば良いんですよ」

…は?

「女性しか働けない会社…?それは…あれか?社長が女性で、そこに働いてる社員も女性しか採用しない、って…」

「違いますよ。風俗店を山ほど作れば良いんです」

ドヤァ。

「…」

「ふっ…ふ、ふ、風俗店っ…!?」

ルアリス、目が真ん丸。

ルレイアが突然とんでもないことを言うからだ。

「風俗なら、嫌でも女しか働けませんからね。風俗店を山ほど作れば、男は満足するし、女性の働き口はたくさん確保されますし、ウィンウィンですよ」

…何がウィンウィンなんだ?

大解決!みたいな顔をして、何をとんでもないことを。

「大切なのは、きっちり線引きをすることですよ。ガッツリえっちをする店か、やんわりえっちをする店か、やんわりとガッツリえっちをする店か、みたいな感じで」

お前も全然線引き出来てないじゃん。

「や、やんわり…。ガッツリ…?」

ルアリス、大困惑。

無理もない。そのやんわりとかガッツリとかは、ルレイア専用用語なんだ。

実は俺もよく意味を分かってないし、聞きたいとも思わない。

詳しく聞いたら、凄く後悔しそうな気がするだろう?

「まったく、隠し子の一人もいない童貞坊やには、その程度も分かりませんか?ガッツリえっちというのはですね、ベッドで裸になっ、」

「ルレイア!こらっ!それ以上言うな!」

ルアリスを冥府魔道に誘うんじゃない。

ルアリスは、このまま正妻と二人の可愛い娘に囲まれた、純粋なままのルアリスでいてくれ。

「と言うか、さっきから何ふざけたこと言ってんだ。この馬鹿!」

「あ痛っ!」

俺は、ルレイアの後頭部をひっぱたいた。

ぶん殴ると必ず避けるが、ひっぱたくくらいなら避けないらしい。

「偉そうに解決策がある、とか言っときながら…。ふっ、ふっ…風俗だなんて…!」

「何ですか、その言い方。風俗で働く女を軽蔑してるんですか?」

「い、いや、そんなつもりは…」

職業に貴賎はないと思うよ。勿論。

大体、マフィアの幹部に、人様の職業についてとやかく言う資格はない。

当たり前だけど。

「で、でもな…。そんな…いかがわしい店に…」

「いかがわしかろうが何だろうが、そこに需要がある限り、男共に性欲がある限り、風俗店は繁盛し続けますよ」

ルティス帝国で数々の風俗店を経営しているルレイアだからこそ、言える台詞である。

お陰で説得力が生まれてしまい、何だか反論が出来ない。