The previous night of the world revolution8~F.D.~

と、いう訳で。

「ルレイアが来てあげましたよー」

「うわっ…」

…うわって何ですか。

まるでお化けでも見たかのように。

「る、ルレイア殿…?どうされたんですか?」

「どうされたんですか、じゃないですよ」

失礼な。

諸手を挙げて喜べ、とまでは言いませんけどね。もう少し歓迎してくれても良いのでは?

「まったく、ルアリスの分際で偉そうに…。ちょっと脱童貞したからって調子に乗っ、いたたたた」

「お前こそ調子に乗るな。ルアリスに失礼だろ、この馬鹿」

ルルシーに耳を引っ張られた。痛い。痛いですって。

乱暴は良くないですよ。

「いえ、あの…大丈夫です」

ほら。ルアリスももう慣れてるから大丈夫だって。 

…それはそれでムカつきますね。ルアリスの分際で。慣れてるだと?

「それで、あの、今日は一体…」

どうされたんですか、でしょう?

「ご挨拶ですね。散々俺とルルシーのデートを邪魔して、呼びつけてきた癖に」

呼んでない時に来たら、今度は「何しに来たの」とは。

失礼な奴ですよ。やれやれ。

「そ、それは申し訳ないと思ってますけど…。…デート(?)の邪魔をしてしまって…」

「心配しなくても、デートの予定なんかまったくないからな。ルレイアが勝手にほざいてるだけだ」

え?ルルシー、今何か言いました?

「だから、今度は呼ばれる前に来てやったという訳です。頭良いでしょう?」

「は、はぁ…」

「さぁ。今日はどんなお仕事ですか?俺が何でも、ばっちりお手伝いしてあげますよ」

今日のルアリスは、何やら執務室の机に向かって、書類仕事をしているようだ。

ふーん。忙しそうですね。

「手伝い…ですか…」

「何?迷惑でした?」

「いえ、そんなこと…。むしろ、有り難いです。いつも猫の手も借りたいほどてんてこ舞いですから」

そうだろう、そうだろう。

猫の手より便利な、ルレイアの手を貸してあげますよ。

今ならルルシーの手もセットで。お買い得〜。

「で、今何やってるんですか?それ」

「あ、はい…これは…。国民達から寄せられた意見書を見て、それぞれの対応策を考えているところです」

…ほう?

何だか面白そうなことやってるじゃないですか。