The previous night of the world revolution8~F.D.~

余談だが、今日の朝食はお粥である。

箱庭帝国の朝ご飯としては、かなり定番。

ルティス帝国では、お粥と言えば米のお粥を思い浮かべるだろうが。

箱庭帝国のお粥は、お米じゃない。

正しくは、お米も入っているけれど、それ以上に麦やトウモロコシ、さつま芋などが混ざったお粥…もとい。

雑炊みたいな食べ物である。

食糧不足が蔓延していた箱庭帝国では、主食となる米が乏しかった為。

このように、様々な穀物や芋を混ぜ、水に入れてふやかして、腹を満たしていたのである。

味付けも、かつては塩のみ、と味気ないものだったが。

ルアリスが箱庭帝国を解放してからは、食糧不足もかなり改善し。

出汁を入れたり、卵を入れた「贅沢な」お粥も食べられるようになってきたそうだ。

俺も今、こうして食べてますが。

これはこれで、結構イケますよ。お芋が入ってると食べ応えもありますし。

舌が驕ってるマリーフィア辺りは、とても食べられたものじゃないでしょうけど。

さて、そんな箱庭帝国の朝食事情は置いておくとして。

「これまで何度も、ルルシーとイチャイチャ楽しく箱庭帝国観光をしようと、あれこれ計画してきましたけど…」

「そんな計画を立てるな」

まぁまぁ、ちょっと最後まで聞いてくださいよ。

「毎度毎度、ルアリスのあんぽんたんに邪魔されて、ルルシーとイチャイチャデートの計画がおじゃんになってるじゃないですか」

「良いことじゃないか」

え?何が?

今日だって、こうしてルルシーと平和に朝ご飯を食べて、これからデートに行こー、なんて計画してたら。

きっと、今にルアリスからメールが来るんですよ。

「相談したいことがあるので、時間があったら来てください」ってさ。

そうはさせるものか。

「そこで俺は考えました。逆転の発想です」

「…何?」

「呼び出される前に、こちらからルアリスを訪ねれば良いんですよ。たのもーっ!って」

「…道場破りかよ…」

似たようなものでしょう。

「そんな訳なので、これからルアリスをひやかし、いえ、手伝いに行きましょう」

「今、ひやかしって言っただろ」

え?言ってませんよ?

それはルルシーの聞き間違いなのでは?

「ひやかしに行くんじゃない。ルアリスは忙しくして…」

「だからこそちょっかいを出しに、いえ、お手伝いしに行くんじゃないですか。ほらほら行きましょー」

「こらっ!ちょっかいを出すんじゃない!ルレイア」

聞こえません、聞こえませんねー。
 
良いことしようとしてるんですから、許されるはずですよ。きっとね。