The previous night of the world revolution8~F.D.~

「このお店ってね、メニューが全部真っ黒なんだって!凄いよね」

えぇ、凄いですね。

…「素材」が良いんでしょうね。シェルドニア王国から取り寄せた「素材」が。
 
先日も、シェルドニア王国に亡命していたルレイア師匠が。

シェルドニアの中央卸売市場で仕入れた、美味しそうな「素材」を送ってくれました。

「はいっ、これ。今月の限定メニューの、真っ黒饅頭だって。ルーチェス君にお土産だよ」

紙袋の中には、黒いパックに入った真っ黒のお饅頭が。

ほう。これ見たことありますよ。

ルレイア師匠に代わって、僕が指導した今月の限定メニューです。

ルレイア師匠が送ってくれた、新鮮なシェルドニア王国の素材を使って作った逸品です。

実はこれ、僕が監修して作ったんですよー。

なんて言ったら、セカイさんが腰を抜かしそうなので、黙っておくとしましょう。

「はいっ、ルーチェス君。どーぞどーぞ。お饅頭どうぞ」

「いえ、でも僕、今仕事中で…」

「もー、良いじゃん。休憩だよ、休憩。はいあーん」

「もぶっ」

セカイさんに、強引にお饅頭を口に押し込まれた。

もぐもぐ。

うーん。やっぱり美味しい。

「どう?美味しい?」

「えぇ、美味しいですよ」

先月、試作品を試食させてもらいましたから。それ以来ですね。

「そっかー!もぐもぐ…。ほんとだ、おいしー!」
 
「セカイさん、焼き肉を食べて、更にお饅頭も食べるんですね」

「ぎくっ!…もー!そういうことは言わなくていーの!甘いものは別腹なの」

そうですか。

良いですねよ。僕はむっちむちのセカイお姉ちゃんが好きなので、思う存分食べてください。

「それにしても、真っ黒なのに美味しいねー。これ、何で味をつけてるのかな?」

「…それは」

「ほら見て。中のあんこまで真っ黒だよ。おもしろーい」

セカイさん、楽しそうに言ってますけど。

実はそのあんこ、小豆じゃないんですよ。

ルレイア師匠がシェルドニア王国から送ってくれた、ミミズペーストです。

…しかし、これは言わない方が良いですね。

もし言ってしまったら、セカイさんが今食べたお饅頭も、その前に食べた焼き肉やビビンバも、全部口から出てしまう恐れがある。

知らない方が幸せってことで。

  



…そのまま二人で、美味しくてペロッと真っ黒饅頭を食べてから。

「ルーチェス君、まだお仕事してるの?」

「えぇ。もうそろそろ終わるんですけどね」

「そっかー。私に出来ることがあったら、何でもするよ?」

それはありがとうございます。大変嬉しいですね。

「じゃあ、そこで応援しててください」

「よし来た、任せて!ふれーっ、ふれーっ、ルーチェス君!ふれっふれっルーチェス君!ふれっふれっルーチェス君!わぁーっ!」

ご馳走様でした。

いつもアリューシャさんに癒やされてるアイズ総長も、きっとこんな気持ちなんだろうなぁ。