それからしばらく、ルレイアとマリーフィアは楽しそうにお喋りに興じていた。
それにしても、ルレイアの話の引き出しの多いこと多いこと。
マリーフィアは貴族故に、多趣味で、聞けば聞くほど色々な話題が飛び出してくる。
音楽から始まり、好きなクラシック音楽だの、作曲者だの、ピアニストだの。
それから絵画やアンティーク、園芸、スポーツなど、いかにも貴族らしい趣味の話が次々と。
俺だったら、絶対話についていけない。
俺の知ってる音楽と言えば…。
…『frontier』と『ポテサラーズ』くらいしか知らない。
お洒落なクラシック音楽なんて…。…猫踏んじゃったくらいしか…。
…お洒落か?この曲。
『frontier』と『ポテサラーズ』なら語れる気がするが、それ以外の音楽は無理。
仕方ないだろ…。ルレイア達がいつもしこたま聴いてるから…。俺も巻き込まれてライブとか…幾度となく連れて行かれて…。
ましてや絵画なんて全く分からないし、園芸なんてマジで、まったくの無知。
それなのに、ルレイアはどのような話題を振られても、「知らない」と言うことは決してなかった。
どんな話題でも、「それって○○が○○なんですよね」とか、「確か○○って人の○○が有名ですよね」とか、必ず何かしらの知識を持ってる。
しかもその喋り方も上手くて、自然と、話を広げるような話し方をする。
自分の知ってる分野について、相手が共通の知識を持っていたら、誰でも気を良くして話したがるものだろう?
初対面の人と共通の話題を見つけると、途端に打ち解けて話しやすくなることって、ない?
「○○って知ってる?」「あぁアレね、知ってる知ってる」みたいな。
何を喋ってもルレイアが上手いこと話を広げてくれるものだから、マリーフィアもすっかり気を良くして、うきうきとお喋りに夢中である。
凄いよな…。俺だったら、「○○って知ってる?」「ごめん、知らない」「あっ…」って感じで、一瞬で話題に詰まりそう。
俺の話の引き出しの少なさよ。
「じゃあ、マリーフィアさんは旅行もお好きなんですね」
「はい。色んなところに行きますの」
「そうですか…。最近人気の観光地と言えば、箱庭帝国なんてどうですか?」
おっ。箱庭帝国なら、俺もちょっとは知ってるぞ。
何なら行ったこともある。その…革命しに。
しかし、マリーフィアの反応は。
「まぁ、箱庭帝国?わたくし、箱庭帝国に行ったことはありませんわ」
とのこと。
「おや。海外旅行はお嫌いですか?」
「そうではありませんけど…。箱庭帝国って、危険ではないかしら。少し前まで、国内がゴタゴタしていたようですし…。えぇと、なんて言いましたっけ。憲兵隊…?」
「憲兵局のことですか?」
長く箱庭帝国を支配していた、独裁機関の名前だ。
俺達『青薔薇連合会』と、ルアリスの革命軍が打倒した…。
俺にとっても、革命軍の当事者だったルアリスにとっても、生涯忘れられない大事件だ。
しかし…。
「そうそう。憲兵局というのがいるのでしょう?危険じゃありませんの?」
「まさか。箱庭帝国では革命が起きて、既に憲兵局は存在しませんよ。すっかり治安も安定して、旅行に行っても安全です」
「まぁ。そうだったんですの?」
箱庭帝国の情勢をよく知らない人にとっては、この程度の認識なんだなって。
…ルアリスが必死に、観光事業に力を入れて、箱庭帝国の悪いイメージを払拭しようと努力しているというのに…。
ルティス帝国の貴族達の耳に届くには、まだまだ時間がかかるようだ。
それにしても、ルレイアの話の引き出しの多いこと多いこと。
マリーフィアは貴族故に、多趣味で、聞けば聞くほど色々な話題が飛び出してくる。
音楽から始まり、好きなクラシック音楽だの、作曲者だの、ピアニストだの。
それから絵画やアンティーク、園芸、スポーツなど、いかにも貴族らしい趣味の話が次々と。
俺だったら、絶対話についていけない。
俺の知ってる音楽と言えば…。
…『frontier』と『ポテサラーズ』くらいしか知らない。
お洒落なクラシック音楽なんて…。…猫踏んじゃったくらいしか…。
…お洒落か?この曲。
『frontier』と『ポテサラーズ』なら語れる気がするが、それ以外の音楽は無理。
仕方ないだろ…。ルレイア達がいつもしこたま聴いてるから…。俺も巻き込まれてライブとか…幾度となく連れて行かれて…。
ましてや絵画なんて全く分からないし、園芸なんてマジで、まったくの無知。
それなのに、ルレイアはどのような話題を振られても、「知らない」と言うことは決してなかった。
どんな話題でも、「それって○○が○○なんですよね」とか、「確か○○って人の○○が有名ですよね」とか、必ず何かしらの知識を持ってる。
しかもその喋り方も上手くて、自然と、話を広げるような話し方をする。
自分の知ってる分野について、相手が共通の知識を持っていたら、誰でも気を良くして話したがるものだろう?
初対面の人と共通の話題を見つけると、途端に打ち解けて話しやすくなることって、ない?
「○○って知ってる?」「あぁアレね、知ってる知ってる」みたいな。
何を喋ってもルレイアが上手いこと話を広げてくれるものだから、マリーフィアもすっかり気を良くして、うきうきとお喋りに夢中である。
凄いよな…。俺だったら、「○○って知ってる?」「ごめん、知らない」「あっ…」って感じで、一瞬で話題に詰まりそう。
俺の話の引き出しの少なさよ。
「じゃあ、マリーフィアさんは旅行もお好きなんですね」
「はい。色んなところに行きますの」
「そうですか…。最近人気の観光地と言えば、箱庭帝国なんてどうですか?」
おっ。箱庭帝国なら、俺もちょっとは知ってるぞ。
何なら行ったこともある。その…革命しに。
しかし、マリーフィアの反応は。
「まぁ、箱庭帝国?わたくし、箱庭帝国に行ったことはありませんわ」
とのこと。
「おや。海外旅行はお嫌いですか?」
「そうではありませんけど…。箱庭帝国って、危険ではないかしら。少し前まで、国内がゴタゴタしていたようですし…。えぇと、なんて言いましたっけ。憲兵隊…?」
「憲兵局のことですか?」
長く箱庭帝国を支配していた、独裁機関の名前だ。
俺達『青薔薇連合会』と、ルアリスの革命軍が打倒した…。
俺にとっても、革命軍の当事者だったルアリスにとっても、生涯忘れられない大事件だ。
しかし…。
「そうそう。憲兵局というのがいるのでしょう?危険じゃありませんの?」
「まさか。箱庭帝国では革命が起きて、既に憲兵局は存在しませんよ。すっかり治安も安定して、旅行に行っても安全です」
「まぁ。そうだったんですの?」
箱庭帝国の情勢をよく知らない人にとっては、この程度の認識なんだなって。
…ルアリスが必死に、観光事業に力を入れて、箱庭帝国の悪いイメージを払拭しようと努力しているというのに…。
ルティス帝国の貴族達の耳に届くには、まだまだ時間がかかるようだ。


