The previous night of the world revolution8~F.D.~

「ルーチェスくーん。セカイお姉ちゃんが帰ってきたよー」

僕の部屋にやって来て、帰宅の挨拶をしてくれるセカイお姉ちゃん。

ありがとうございます。

「はい、お帰りなさい」

「ご飯食べてきちゃった〜」

そうですか。それは良かった。

「ルーチェス君は?何食べてたの?」

「これです」

と、僕は食べかけのカップ焼きそばを指差した。

食べ始めてしばらく経ってるせいで、既に冷めてしまっているが。

味付けが濃いので、冷めても充分美味しいのがカップ焼きそばの良いところ。

「えっ…。カップ麺食べてたの?」

セカイさん、びっくり。

「はい、そうですけど…。…何かいけませんでした?」

「いや…いけない訳じゃないけど…。わ、私だけ贅沢に美味しいもの食べてきちゃった…」

「?今なんて言いました?」

ちょっと今、声が小さくて聞こえませんでした。

まぁ、それは別に良いけど。

「セカイお姉ちゃんは、何食べてきたんですか?」

「えっ」

何だろう。お寿司とか?うなぎとか?

もっと贅沢に、小料理屋でお食事…かと思ったが。

聞かなくても、傍に近づいてきたセカイさんから漂う匂いで、すぐに察した。

成程、そう来ましたか。

「私はー…そのー…。質素にね、質素に…そう、セルフサービスのおうどん食べてきちゃった」

…え?

「シンプルにね、その、かけうどん。一杯のかけうどん!天ぷらも乗っけずに、無料盛り放題の刻みネギと揚げ玉だけをてんこ盛りにして食べてきちゃった」

…目が泳いでますけど。

「ルーチェス君がカップ焼きそばで済ませてるのに、私だけ贅沢なもの食べる訳にはいかないでしょ?だから、お安く数百円で済ませて…」

「…そのうどん屋さんって」

「ひぇっ?」

「にんにくも、無料で盛り放題なんですか?」

「えっ!?」

セカイさん、びくっ。

「に、にんにく…?な、何でにんにくなの…?おうどんには、にんにくは入れないよ?」

入れても美味しいですけどね。にんにく。

スタミナうどんって感じで。

「だって、セカイさんから強烈なにんにくの匂いがするので」

「ぎくっ!」

にんにくって、匂いがキツいですからね。

食べてきたら、すぐに分かる。

「な、なんのこと…?に、にんにくなんて食べてないよ?」

また目が泳いでますよ。

「それに、心なしかちょっと煙たい匂いがしますね」

「ぎくーっ!」

「さては…焼き肉ですね?」

やっぱり。

匂いで分かりますよ。焼き肉屋の匂いって独特ですもんね。

「ち、ち、違うよ?ルーチェス君がカップ焼きそばで済ませてるのに、私だけ贅沢に焼き肉食べてくるはずないじゃん!」

にんにく臭をさせながら、焼き肉なんて食べてない、などと供述しており。