しかも、私達の問題はそれだけではなかった。
「…不味いよ。帝国自警団のネットワークが、何者かに侵入された形跡がある」
「…何だって?」
もう一人の協力者は、眉をひそめながらパソコンの画面を睨んでいた。
「一体誰が?」
「そこまでは分からない。だけど…侵入されたページは、帝国自警団の団員名簿だ。僕達帝国騎士団団員の素性を、一人一人調べてるんだと思う」
…そんなことをする理由があるのは、『青薔薇連合会』だけだ。
間違いない。
「『青薔薇連合会』ね。…あいつらはきっと、新聞社にタレコミしたのが自警団の誰かだって気づいて…」
「一連の事件の犯人が俺達だってことも、気づいたのかもな」
…だとしたら、状況は非常に悪い。
「じゃあ…私達のもとに手が届くのも、時間の問題…?」
「…かも、しれない」
「…」
状況が悪い、どころじゃない。
絶望的と言っても良かった。
私達のことがバレたら、これまでの苦労も水の泡だ。
私達はしばし黙って、お互いを見つめた。
…これからどうするか、真剣に考えなければならない。
「僕達のことがバレる前に、逃げた方が良いかもしれない」
もし、アジーナ・ミシュル・サイネリア女史の殺害を手引したのがバレたら。
更に…その前の、『ローズ・ブルーダイヤ』が盗まれた、というデマを流したのも、私達だということがバレたら。
…私達だって、タダでは済まない。
それどころか、私達の方が『青薔薇連合会』に捕まってしまう恐れがある。
それじゃ、復讐どころではない。
私達のやってきたことが無駄になるどころか。
…結果的に、あの男に勝たせることになってしまう。
許さない。
私達にあれほどのことをしておいて、自分だけはのうのうと…何の報いも受けず…。
『青薔薇連合会』の手が回れば、その時点で私達の復讐は終わる。
そうさせない為には、あの男の仲間達の手が回る前に、逃げた方が良い。
とにかく逃げて、潜んで、そして気を伺ってもう一度…。
そうするべきなのかもしれない。…それは分かっている。
…しかし。
「逃げる、だって…?逃げられるもんか。ここまで来て、ここまでやって、どうして逃げられるもんか…!」
私の協力者は、強い口調でそう言った。
…そう。その通りだ。
「『青薔薇連合会』が本気で私達を探っているなら、例え逃げたとしても、見つかるのは時間の問題だよ」
悔しいけれど、私達はお互い、この場にいる自分以外の二人しか、仲間はいないのだ。
『青薔薇連合会』に比べれば、人材も、資金力だって劣っている。
本気でぶつかり合えば、必ずこちらが負ける。
正体を隠した奇襲以外に、勝ち目はないのだ。
『青薔薇連合会』は気づいている。真犯人…黒幕が、帝国自警団にいることを。
そして、いずれ私達に辿り着くだろう。
…後悔はしていない。私達は、その時に自分達が取れる最善手を打って、ここまで来たのだ。
だからその結果がこれなら、甘んじて受け止めよう。
…だけど、それで復讐を諦めるかと問われれば、それは別の話だ。
「…不味いよ。帝国自警団のネットワークが、何者かに侵入された形跡がある」
「…何だって?」
もう一人の協力者は、眉をひそめながらパソコンの画面を睨んでいた。
「一体誰が?」
「そこまでは分からない。だけど…侵入されたページは、帝国自警団の団員名簿だ。僕達帝国騎士団団員の素性を、一人一人調べてるんだと思う」
…そんなことをする理由があるのは、『青薔薇連合会』だけだ。
間違いない。
「『青薔薇連合会』ね。…あいつらはきっと、新聞社にタレコミしたのが自警団の誰かだって気づいて…」
「一連の事件の犯人が俺達だってことも、気づいたのかもな」
…だとしたら、状況は非常に悪い。
「じゃあ…私達のもとに手が届くのも、時間の問題…?」
「…かも、しれない」
「…」
状況が悪い、どころじゃない。
絶望的と言っても良かった。
私達のことがバレたら、これまでの苦労も水の泡だ。
私達はしばし黙って、お互いを見つめた。
…これからどうするか、真剣に考えなければならない。
「僕達のことがバレる前に、逃げた方が良いかもしれない」
もし、アジーナ・ミシュル・サイネリア女史の殺害を手引したのがバレたら。
更に…その前の、『ローズ・ブルーダイヤ』が盗まれた、というデマを流したのも、私達だということがバレたら。
…私達だって、タダでは済まない。
それどころか、私達の方が『青薔薇連合会』に捕まってしまう恐れがある。
それじゃ、復讐どころではない。
私達のやってきたことが無駄になるどころか。
…結果的に、あの男に勝たせることになってしまう。
許さない。
私達にあれほどのことをしておいて、自分だけはのうのうと…何の報いも受けず…。
『青薔薇連合会』の手が回れば、その時点で私達の復讐は終わる。
そうさせない為には、あの男の仲間達の手が回る前に、逃げた方が良い。
とにかく逃げて、潜んで、そして気を伺ってもう一度…。
そうするべきなのかもしれない。…それは分かっている。
…しかし。
「逃げる、だって…?逃げられるもんか。ここまで来て、ここまでやって、どうして逃げられるもんか…!」
私の協力者は、強い口調でそう言った。
…そう。その通りだ。
「『青薔薇連合会』が本気で私達を探っているなら、例え逃げたとしても、見つかるのは時間の問題だよ」
悔しいけれど、私達はお互い、この場にいる自分以外の二人しか、仲間はいないのだ。
『青薔薇連合会』に比べれば、人材も、資金力だって劣っている。
本気でぶつかり合えば、必ずこちらが負ける。
正体を隠した奇襲以外に、勝ち目はないのだ。
『青薔薇連合会』は気づいている。真犯人…黒幕が、帝国自警団にいることを。
そして、いずれ私達に辿り着くだろう。
…後悔はしていない。私達は、その時に自分達が取れる最善手を打って、ここまで来たのだ。
だからその結果がこれなら、甘んじて受け止めよう。
…だけど、それで復讐を諦めるかと問われれば、それは別の話だ。


