…更に、ルレイアがダメ出しをしたのは、設備だけに留まらない。
「その…ルレイア殿。こちらも見てもらえますか?」
と言って、ルアリスは分厚い本をルレイアに差し出した。
『箱庭帝国医学概論』というタイトルの本である。
あれ…もしかして、大学の講義で使うテキストだろうか?
「授業で使う予定のテキストなんですけど…。今年作られたばかりの教科書なんです。読んでみてもらえませんか?」
あ、やっぱり…。
ルレイアは、ぺらぺらとその本を捲った。
俺は、横から盗み見させてもらった。
すげぇ…。俺にはさっぱり分からない。
でもこれって、医者には必要不可欠な知識なんだろうな。
「…どう思いますか?」
「これ、何年生のテキストなんです?」
「一年次です」
「一年でこのレベルなら、卒業するまでに12年は必要ですね」
ルレイアの毒舌が突き刺さる。
ルティス帝国の医学部は、確か6年次まであるから。
その倍も必要ってこと?…つらっ…。
「う…。そ、そんなに、ですか…?」
「ルティス帝国の高校の看護学科でも、この程度は勉強してますよ」
そうなの?
大学の医学部どころか、高校の看護学科レベル?
「それに…ざっと見たところ、記述に誤りこそありませんが、曖昧な記述は多いですね。著者自身、把握しきれてないと言いますか…」
「…」
「記載してある症例の数も少ないです。これじゃあ信憑性に欠けますよ」
「そ、そうですか…」
ルアリス自身は、それほど医学に詳しい訳ではないらしく。
テキストにダメ出しをされて、戸惑った様子であった。
…無理もない。俺だって訳分かんないし。
むしろ、マフィアの幹部なのに、これほど医学に長けているルレイアの方が異端である。
それもこれも、帝国騎士官学校時代に、一通りの医学を学んだが故である。
学歴なんか当てにならないよな。
ルレイアだって、学歴的には高卒だけど。
そこらの大学生より、遥かに頭良いんだもん。
「生半可なテキストを使うくらいなら、ルティス帝国で販売されている『猿でも分かる!初級の医学』を使った方が良いですね」
…あのシリーズ、そんな本まで出してんの?
なんつーか、偏見だとは分かってるけどさ。
猿でも分かるとか言われてる本で、医学の勉強なんかしたくないよな。
猿は医学なんて分かんねーよ。
「ちなみに、中級の医学、上級の医学というシリーズも出ているので、学年が上がったらそちらを使うと良いですよ」
初級、とか言ってる時点で何となく察してた。
「そ、そうですか…。設備とテキストに関しては…もう少し考えることにします」
「えぇ、そうしてください」
ルレイアの辛口な批評が、少しでも大学の質向上に繋がることを祈るばかりである。
「その…ルレイア殿。こちらも見てもらえますか?」
と言って、ルアリスは分厚い本をルレイアに差し出した。
『箱庭帝国医学概論』というタイトルの本である。
あれ…もしかして、大学の講義で使うテキストだろうか?
「授業で使う予定のテキストなんですけど…。今年作られたばかりの教科書なんです。読んでみてもらえませんか?」
あ、やっぱり…。
ルレイアは、ぺらぺらとその本を捲った。
俺は、横から盗み見させてもらった。
すげぇ…。俺にはさっぱり分からない。
でもこれって、医者には必要不可欠な知識なんだろうな。
「…どう思いますか?」
「これ、何年生のテキストなんです?」
「一年次です」
「一年でこのレベルなら、卒業するまでに12年は必要ですね」
ルレイアの毒舌が突き刺さる。
ルティス帝国の医学部は、確か6年次まであるから。
その倍も必要ってこと?…つらっ…。
「う…。そ、そんなに、ですか…?」
「ルティス帝国の高校の看護学科でも、この程度は勉強してますよ」
そうなの?
大学の医学部どころか、高校の看護学科レベル?
「それに…ざっと見たところ、記述に誤りこそありませんが、曖昧な記述は多いですね。著者自身、把握しきれてないと言いますか…」
「…」
「記載してある症例の数も少ないです。これじゃあ信憑性に欠けますよ」
「そ、そうですか…」
ルアリス自身は、それほど医学に詳しい訳ではないらしく。
テキストにダメ出しをされて、戸惑った様子であった。
…無理もない。俺だって訳分かんないし。
むしろ、マフィアの幹部なのに、これほど医学に長けているルレイアの方が異端である。
それもこれも、帝国騎士官学校時代に、一通りの医学を学んだが故である。
学歴なんか当てにならないよな。
ルレイアだって、学歴的には高卒だけど。
そこらの大学生より、遥かに頭良いんだもん。
「生半可なテキストを使うくらいなら、ルティス帝国で販売されている『猿でも分かる!初級の医学』を使った方が良いですね」
…あのシリーズ、そんな本まで出してんの?
なんつーか、偏見だとは分かってるけどさ。
猿でも分かるとか言われてる本で、医学の勉強なんかしたくないよな。
猿は医学なんて分かんねーよ。
「ちなみに、中級の医学、上級の医学というシリーズも出ているので、学年が上がったらそちらを使うと良いですよ」
初級、とか言ってる時点で何となく察してた。
「そ、そうですか…。設備とテキストに関しては…もう少し考えることにします」
「えぇ、そうしてください」
ルレイアの辛口な批評が、少しでも大学の質向上に繋がることを祈るばかりである。


