さて、実際の挙式のムービーを見た後は。
お楽しみタイムである。
「こちら、当会場で貸し出しているドレスとタキシードになります。ご自由にご試着してみてください」
旗を持ったガイドお姉さんに連れられて、やって来たのは。
結婚式の衣装部屋である。
所狭しと、真っ白なドレスとタキシードが並んでいる。
わーお。胸が踊りますね。
「この衣装が全部真っ黒だったら、言うことなかったんですけどね」
「…あのな、ルレイア…。葬式じゃないんだから…」
シェルドニア王国は、葬式でも白を着てそうですけど。
ブライダルフェアの参加者達は、思い思いのウェディングドレスやタキシードを手に、試着を始めていた。
おっと。俺達も負けてられませんね。
「さぁルルシー。試着してみましょう」
「は…?何で俺が?」
「そうだなー。ルルシーに似合う衣装は…」
ハンガーにかけられて並べられた衣装を、何枚かじーっと吟味。
おっ。これだ。
胸元にスワロフスキービーズの洒落た飾りがついた、純白のAラインドレスである。
「これなんか、ルルシーにとっても似合うと思いま、」
「却下」
ちょっと。まだ言葉の途中なのに、何で断るんですか。
「…あ、ルルシーはマーメイドドレスの方が好きでしたか?それじゃあこっちの…」
腰に純白の大きなリボンがついた、可愛らしいマーメイドドレスを、
「却下だ」
…何で?
「…嫌いですか?ルルシーはもっとシンプルなドレスの方が好きです?」
「あのな、ルレイア。お前、何か誤解してるようだが」
ルルシーは俺の真正面に立って、ガシッと俺の両肩を掴んだ。
「ブライダルフェアに参加してるんだから、百歩譲って結婚式の衣装を試着するのは構わない」
「そうでしょう?じゃあ着てみてくださいよ」
「しかし、俺は男だ。そしてお前が今手に持ってるのはドレスだ。女物の衣装だ」
えっ?
「男はドレスなんか着ない。分かったか?」
「それは偏見ですよ、ルルシー。だってほら、あの男性カップル、ドレス着てますよ」
俺は、同じくブライダルフェアに参加している男性カップルを指差した。
「は?いや、そんな訳…。…本当だ…」
ね?言ったでしょう?
あの男性カップルは、二人共ウェディングドレスを着て、はしゃぎながら写真を撮っていた。
反対側では、逆に、女性カップルがタキシードを着てキャッキャしてるし。
どうやらシェルドニア王国の結婚式では、男性がタキシード、女性がドレス、とは決まってないようですね。
何なら女性がタキシードで、男性がドレスを着て結婚式をする、というパターンもあるのかもしれない。
いやはや。多様性って凄いですね。
固定観念を覆されますよ。
お楽しみタイムである。
「こちら、当会場で貸し出しているドレスとタキシードになります。ご自由にご試着してみてください」
旗を持ったガイドお姉さんに連れられて、やって来たのは。
結婚式の衣装部屋である。
所狭しと、真っ白なドレスとタキシードが並んでいる。
わーお。胸が踊りますね。
「この衣装が全部真っ黒だったら、言うことなかったんですけどね」
「…あのな、ルレイア…。葬式じゃないんだから…」
シェルドニア王国は、葬式でも白を着てそうですけど。
ブライダルフェアの参加者達は、思い思いのウェディングドレスやタキシードを手に、試着を始めていた。
おっと。俺達も負けてられませんね。
「さぁルルシー。試着してみましょう」
「は…?何で俺が?」
「そうだなー。ルルシーに似合う衣装は…」
ハンガーにかけられて並べられた衣装を、何枚かじーっと吟味。
おっ。これだ。
胸元にスワロフスキービーズの洒落た飾りがついた、純白のAラインドレスである。
「これなんか、ルルシーにとっても似合うと思いま、」
「却下」
ちょっと。まだ言葉の途中なのに、何で断るんですか。
「…あ、ルルシーはマーメイドドレスの方が好きでしたか?それじゃあこっちの…」
腰に純白の大きなリボンがついた、可愛らしいマーメイドドレスを、
「却下だ」
…何で?
「…嫌いですか?ルルシーはもっとシンプルなドレスの方が好きです?」
「あのな、ルレイア。お前、何か誤解してるようだが」
ルルシーは俺の真正面に立って、ガシッと俺の両肩を掴んだ。
「ブライダルフェアに参加してるんだから、百歩譲って結婚式の衣装を試着するのは構わない」
「そうでしょう?じゃあ着てみてくださいよ」
「しかし、俺は男だ。そしてお前が今手に持ってるのはドレスだ。女物の衣装だ」
えっ?
「男はドレスなんか着ない。分かったか?」
「それは偏見ですよ、ルルシー。だってほら、あの男性カップル、ドレス着てますよ」
俺は、同じくブライダルフェアに参加している男性カップルを指差した。
「は?いや、そんな訳…。…本当だ…」
ね?言ったでしょう?
あの男性カップルは、二人共ウェディングドレスを着て、はしゃぎながら写真を撮っていた。
反対側では、逆に、女性カップルがタキシードを着てキャッキャしてるし。
どうやらシェルドニア王国の結婚式では、男性がタキシード、女性がドレス、とは決まってないようですね。
何なら女性がタキシードで、男性がドレスを着て結婚式をする、というパターンもあるのかもしれない。
いやはや。多様性って凄いですね。
固定観念を覆されますよ。


