ーーーーー…シェルドニア王国にやって来て、およそ10日が経過した。
その日、俺はとあるチラシを手に、にゅふふな笑いが止められなかった。
「…にゅふ。にゅふふふ…」
「…」
「にゅふふふ…」
「…おい、ルレイア」
テーブルと向かい合って、何やら書き物をしていたルルシーが。
耐え兼ねたように、くるりとこちらを向いた。
「…にゅふふ…」
「おい。そのキモい笑いをやめろ」
「…にゅふ?」
「気持ち悪いぞ」
…気持ち悪い、だって?
今の聞きました?恋人が楽しそうに笑ってるのに、それを気持ち悪いって?
酷いと思いません?微笑ましいなぁ、って見守ってくださいよ。
「その胡散臭い笑い方やめろ。何か良いことでもあったのか?」
「えぇ…。実はとっても良いことがありました…」
「そ、そうか…。そりゃ良かったな…」
良いことって何?って聞いてくれても良いんですよ?
まぁ、まだ教えてあげませんけど。
これはギリギリまで隠しておこう。
ルルシーはシャイですからね。事前に知ったら、恥ずかしがってキャンセルしてしまうかもしれませんから。
当日のお楽しみってことで。
「それより、ルルシーはさっきから何をやってるんですか?」
またしてもルルシーは、何やら教科書?のようなものを見ながら、ペンをカリカリ動かしている。
またお勉強ですか、ルルシー。精が出ますね。
「ん?あぁ…。シェルドニア語の勉強をな」
とのこと。
よくよくルルシーの手元を見てみたら、シェルドニア語中級、という本が置いてあった。
成程。シェルドニア語の勉強でしたか。
「前に来た時よりはマシになってるけど、まだまだ日常会話も覚束ないからな…」
「そんなに頑張らなくても、俺が通訳しますよ?」
「それが嫌なんだよ。いつまでもルレイアに頼りっぱなしじゃ情けないからな。自分でも喋れるようにしないと…」
いやん。ルルシー素敵。
頑張る姿が格好良いですね。
「この国にしばらく滞在するなら、シェルドニア語は読み書き共にマスターしておきたいんだ」
「そうですか…。ルルシーは勉強熱心ですね」
「お前に追いつく…のはとても無理だけど、せめて足を引っ張らないようにしたいからな」
俺は、ルルシーに足を引っ張られてるなんて一度も思ったことありませんけどね。
むしろ、俺の方がルルシーの足を引っ張ってるんじゃないかと心配ですよ。
ま、それはお互い様ってことなんですかね。
…とはいえ、こうして、ルルシーは頑張っているようですけど。
その頑張り、もしかしたら無駄になる可能性が…。
…と、思っていたら。
「…ん?」
噂をすれば何とやら、俺のスマホに、ルシードから連絡が入った。
その日、俺はとあるチラシを手に、にゅふふな笑いが止められなかった。
「…にゅふ。にゅふふふ…」
「…」
「にゅふふふ…」
「…おい、ルレイア」
テーブルと向かい合って、何やら書き物をしていたルルシーが。
耐え兼ねたように、くるりとこちらを向いた。
「…にゅふふ…」
「おい。そのキモい笑いをやめろ」
「…にゅふ?」
「気持ち悪いぞ」
…気持ち悪い、だって?
今の聞きました?恋人が楽しそうに笑ってるのに、それを気持ち悪いって?
酷いと思いません?微笑ましいなぁ、って見守ってくださいよ。
「その胡散臭い笑い方やめろ。何か良いことでもあったのか?」
「えぇ…。実はとっても良いことがありました…」
「そ、そうか…。そりゃ良かったな…」
良いことって何?って聞いてくれても良いんですよ?
まぁ、まだ教えてあげませんけど。
これはギリギリまで隠しておこう。
ルルシーはシャイですからね。事前に知ったら、恥ずかしがってキャンセルしてしまうかもしれませんから。
当日のお楽しみってことで。
「それより、ルルシーはさっきから何をやってるんですか?」
またしてもルルシーは、何やら教科書?のようなものを見ながら、ペンをカリカリ動かしている。
またお勉強ですか、ルルシー。精が出ますね。
「ん?あぁ…。シェルドニア語の勉強をな」
とのこと。
よくよくルルシーの手元を見てみたら、シェルドニア語中級、という本が置いてあった。
成程。シェルドニア語の勉強でしたか。
「前に来た時よりはマシになってるけど、まだまだ日常会話も覚束ないからな…」
「そんなに頑張らなくても、俺が通訳しますよ?」
「それが嫌なんだよ。いつまでもルレイアに頼りっぱなしじゃ情けないからな。自分でも喋れるようにしないと…」
いやん。ルルシー素敵。
頑張る姿が格好良いですね。
「この国にしばらく滞在するなら、シェルドニア語は読み書き共にマスターしておきたいんだ」
「そうですか…。ルルシーは勉強熱心ですね」
「お前に追いつく…のはとても無理だけど、せめて足を引っ張らないようにしたいからな」
俺は、ルルシーに足を引っ張られてるなんて一度も思ったことありませんけどね。
むしろ、俺の方がルルシーの足を引っ張ってるんじゃないかと心配ですよ。
ま、それはお互い様ってことなんですかね。
…とはいえ、こうして、ルルシーは頑張っているようですけど。
その頑張り、もしかしたら無駄になる可能性が…。
…と、思っていたら。
「…ん?」
噂をすれば何とやら、俺のスマホに、ルシードから連絡が入った。


