The previous night of the world revolution8~F.D.~

ブロテ団長が、無責任なことをしないであろうと予想しているのは本当だ。

保護を解除したからといって、じゃあそのまま帝国騎士団に売り飛ばすかというと、そんなことはしないはず。

そのくらいの誠意はあるものと信じている。

でなきゃ、ハナからルレイアを帝国自警団のもとになど預けない。

ならば、解放されたルレイアとルルシーは、今何処にいるのだろうか?

もしルレイアから私の方に、隠れ場所の手配を打診されたなら、すぐに応える準備はしてあった。

『青薔薇連合会』の用意した隠れ場所なら、少なくとも当座の間は身を潜めていられるはずだった。

だが、今のところ、ルレイアからの連絡はない。

他に何処か、隠れ場所を見つけたんだろうか?

まさか私に遠慮して、助けを求めてこない訳ではないだろうが…。

ルレイアのみならず、帝国自警団からも何の連絡もなかった。

ルレイアを何処にやったのか。まさか着の身着のまま、野に放り出したのか?

そんなことはしないと思っているが、こうも梨のつぶてだと、シュノじゃないけど不安にもなる。

ルリシヤとルーチェスも、アリューシャだって、同様の不安を抱えていることだろう。

…すると、その時。

そんな私達の不安の薙ぎ払うように、私のもとに一通のメールが届いた。

…おっと。噂をすれば。

メールを開いて、私は心の底からホッと一安心した。

「…シュノ。ほら見て」

「え…?」

「ルレイアからメールだよ」 

「!」

シュノは、しがみつかんばかりに私の携帯電話を掴んだ。

「何だ何だっ?ルレ公からメールかっ!?」

「ルレイア師匠、元気そうですか?」

「俺にも見せてくれ」

一台の携帯電話の前に、群がる幹部達。

そこには、今ルレイアとルルシーは無事でいて、シェルドニア王国にいると記されていた。

どうやら、ブロテが安全に国外逃亡を手配してくれたらしい。

「良かったっ…!ルレイア、無事なのね」

シュノは涙を滲ませて、喜びの声を上げた。

ね、大丈夫だって言ったでしょう?

メールの文面から、ルレイアの余裕が伝わってくるようだよ。

「成程、シェルドニア王国ですか…。アシスファルト帝国や箱庭帝国に逃げるのは難しいだろうと思ってましたけど…」

「そうだな。シェルドニア王国なら、比較的楽に入国出来るだろうな」

ルーチェスとルリシヤが、納得したように言った。 

そうだね。

それにシェルドニア王国なら、入国さえすれば、滞在中はアシミム女王が安全を保証してくれるだろうし。

海を挟んだ大国に逃げてしまえば、そう簡単には追ってこられないだろうしね。

逃げ場所としては完璧だ。

「すげぇ!ルレ公、他所の国に逃げたんだな!」

「そうだよ。これで、帝国騎士団の手は及ばないね」

「やったぜ!」

本当。やったね。

彼らが無事でいるというだけで、私達も元気が湧いてくるようだよ。

「今頃帝国騎士団の奴ら、泡吹いてんだろうな!」

ご満悦のアリューシャ。

泡を吹いてるかは分からないけど、きっと、ぐぬぬ、って感じだろうね。