The previous night of the world revolution8~F.D.~

ーーーーー…その頃、『青薔薇連合会』では。





「…」

「…シュノ先輩、元気がないな」

「無理もありませんけどね」

帝国自警団が、保護していた容疑者を解放した、と公式に発表してからというもの。

シュノは、ルレイアの身を案じて、ずーっと落ち込んでしまっている。

食事もろくに喉を通らない有り様である。

「シュー公!元気出せ。ほら、アリューシャのポテチやるから!はい!」

シュノに元気を出してもらおうと、アリューシャはポテトチップスを一袋丸ごと(しかもLサイズ)を、シュノに渡そうとした。

しかし。

「…要らない」
 
冴えない顔のシュノは、首を横に振ってアリューシャのポテトチップスを断った。

…まぁ、ポテトチップス一袋じゃ、なかなか元気出ないよね。

アリューシャは元気になるかもしれないけど。

「駄目なのか…!?あっ、シュー公、うすしお味嫌いなのか?じゃあコンソメポンチは!?」

「…要らない」

…アリューシャ、それを言うならコンソメパンチじゃないのかな。

「駄目かっ…!じゃあのり塩、じゃがバタ、あっ、新作のごまドレ味ってのもあるぞ!ほら!」

ごまドレ味かぁ。ちょっと美味しそうだね。

しかし、今のシュノは、期間限定のレアなポテトチップスくらいでは、心を揺り動かされることはない。

「…要らない」

ふるふる、と首を横に振るシュノだった。

「駄目なのか…。アリューシャじゃ、シュー公を救ってあげられないのか…!?」

…気持ちだけは、有り難く受け取ってもらえると思うんだけどね。

ルレイアの身を案じるシュノには、そう簡単なことでは通用しない。

「心配しなくても大丈夫だよ、シュノ」

私はアリューシャの代わりに、何とかシュノに元気を取り戻してもらおうと、声をかけた。

「ルレイアなら、きっと今頃無事に逃げてると思うよ」

「…本当に?だって、帝国自警団からも追い出されたんでしょ?」

それはそうだけど。

「今頃ルレイアが…行く宛もなく帝都の裏路地を彷徨ってるかと思うと…」

…居ても立っても居られないよね。分かるよ。

でも、そんなことにはなってないはずだ。

もしそうなら連絡をくれると思うし、何より。

「あのブロテ団長のことだ。保護を解除したとはいえ、無責任なことはしないと思うよ」

「でも…だって…彼女は向こう側でしょ?帝国騎士団の味方なんでしょ?」

「だからって、ブロテ団長がルレイアを帝国騎士団に売り飛ばすとは思えない。きっと無事でいるはずだよ」

「…」

…駄目か。

私の説得くらいでは、シュノは納得出来ないようだった。

…無理もないよね。

いくら私達が憶測を重ねたって、ルレイアから直接聞いた訳じゃないんだから。

それに、シュノほどじゃないけど、私だってルレイア達のことが心配なのだ。

私が狼狽えたら皆戸惑うだろうから、決して態度に出さないだけで。