ルシードはとても有能な男だった。
突然訪ねてきた俺とルルシーの為に、翌日には、すぐ隠れ家を準備してくれた。
王都の一角にある、小さなアパートである。
以前ルルシーとルリシヤがシェルドニア王国に潜伏した時、隠れ家として使っていたアパートに似ている。
「ここだ」
ルシードが自ら、早速俺達を案内してくれた。
「ふーん…」
閑静な住宅街にあるアパートで、確かに、人目を忍んで暮らすには最適な場所である。
アパートの建物が真っ白である、ということを除けば、快適に暮らせそうですね。
「差し当たって、必要な家具は全て揃っている。必要なものがあれば言ってくれ。すぐに用意する」
至れり尽くせりですね。
とはいえ、俺もそこまで甘えるつもりはないから、その気遣いは結構だ。
「分かりました。まぁ、自分達で何とかしますよ」
「そうか」
「それより、俺達の為に何かしてくれる気があるなら、一つ頼みたいことがあるんですけどね」
「…何だ?」
ルシードが、再び警戒心をあらわにした。
失礼な。無茶振りを頼むとでも思ったんですか?
違いますよ。
「そんなに睨むのやめてもらえますか。俺達は亡命者ですよ?」
広い心を持って受け入れ、人権を保証し、丁重に扱うのが国としての礼儀ってものでしょうよ。
まぁ、俺、アシミムの肖像画ぶっ壊しちゃったんですけど。
てへっ。
「別に何も企んじゃいません。今更、シェルドニア王国と事を構えるつもりはありませんよ」
「…」
その疑わしそうな目、やめてくれませんかね。
まったく、人を疑うのは良くないと思いますよ?
俺の、この清廉で誠実な瞳が見えないんでしょうか。
やれやれ。
「良いから、これ。アシミムに渡しといてください」
俺は、アシミムへの「お願い」を記した手紙をルシードに託した。
シェルドニア王国に来るまでの、船の中で書いておいたのだ。
俺は、自分の無実が証明されるまで、このシェルドニア王国で大人しくしているつもりはない。
状況がどう転んでも困らずに済むように、打てる手は打っておかなくては。
「…?ルレイア、その手紙は…?」
突然手紙を取り出す俺に、ルルシーは怪訝そうな顔をしていた。
ルルシーにも、後で説明しますよ。
「確かにアシミムに届けてくださいね。頼みましたよ」
「…分かった」
ルシードは、渋々頷いた。
ルシードは有能ですからね。
きっと、すぐに手配してくれると思いますよ。
「俺はここで失礼する。これが部屋の鍵だ」
と言って、ルシードがアパートの鍵を手渡してきた。
そして、これ以上言うことはないとばかりに、くるりと踵を返した。
まったく、無愛想な男ですよ。
「礼儀正しさってものを知りませんね。ねぇ、ルルシー」
「…深夜に人の寝室に侵入した奴が、礼儀正しさを説くのか」
いやん。
今のは聞かなかったことにしておきますね。
突然訪ねてきた俺とルルシーの為に、翌日には、すぐ隠れ家を準備してくれた。
王都の一角にある、小さなアパートである。
以前ルルシーとルリシヤがシェルドニア王国に潜伏した時、隠れ家として使っていたアパートに似ている。
「ここだ」
ルシードが自ら、早速俺達を案内してくれた。
「ふーん…」
閑静な住宅街にあるアパートで、確かに、人目を忍んで暮らすには最適な場所である。
アパートの建物が真っ白である、ということを除けば、快適に暮らせそうですね。
「差し当たって、必要な家具は全て揃っている。必要なものがあれば言ってくれ。すぐに用意する」
至れり尽くせりですね。
とはいえ、俺もそこまで甘えるつもりはないから、その気遣いは結構だ。
「分かりました。まぁ、自分達で何とかしますよ」
「そうか」
「それより、俺達の為に何かしてくれる気があるなら、一つ頼みたいことがあるんですけどね」
「…何だ?」
ルシードが、再び警戒心をあらわにした。
失礼な。無茶振りを頼むとでも思ったんですか?
違いますよ。
「そんなに睨むのやめてもらえますか。俺達は亡命者ですよ?」
広い心を持って受け入れ、人権を保証し、丁重に扱うのが国としての礼儀ってものでしょうよ。
まぁ、俺、アシミムの肖像画ぶっ壊しちゃったんですけど。
てへっ。
「別に何も企んじゃいません。今更、シェルドニア王国と事を構えるつもりはありませんよ」
「…」
その疑わしそうな目、やめてくれませんかね。
まったく、人を疑うのは良くないと思いますよ?
俺の、この清廉で誠実な瞳が見えないんでしょうか。
やれやれ。
「良いから、これ。アシミムに渡しといてください」
俺は、アシミムへの「お願い」を記した手紙をルシードに託した。
シェルドニア王国に来るまでの、船の中で書いておいたのだ。
俺は、自分の無実が証明されるまで、このシェルドニア王国で大人しくしているつもりはない。
状況がどう転んでも困らずに済むように、打てる手は打っておかなくては。
「…?ルレイア、その手紙は…?」
突然手紙を取り出す俺に、ルルシーは怪訝そうな顔をしていた。
ルルシーにも、後で説明しますよ。
「確かにアシミムに届けてくださいね。頼みましたよ」
「…分かった」
ルシードは、渋々頷いた。
ルシードは有能ですからね。
きっと、すぐに手配してくれると思いますよ。
「俺はここで失礼する。これが部屋の鍵だ」
と言って、ルシードがアパートの鍵を手渡してきた。
そして、これ以上言うことはないとばかりに、くるりと踵を返した。
まったく、無愛想な男ですよ。
「礼儀正しさってものを知りませんね。ねぇ、ルルシー」
「…深夜に人の寝室に侵入した奴が、礼儀正しさを説くのか」
いやん。
今のは聞かなかったことにしておきますね。


