The previous night of the world revolution8~F.D.~

「残念ながら確定情報じゃなくてね、本当に来るかどうかはまだ未確定なんだけど…」

「無理ないですよ。お貴族様の情報を探るのは、俺達マフィアにとっては畑違いですからね」

敵組織や企業の内情を探るのは、日常茶飯時だけど。

さすがに貴族のパーティーの出席名簿について、しかもこんな短時間で詳しく調べ上げろというのは無理な話。

ここまで調べてくれただけでも、充分です。

例え無駄足だったとしても、足を運ぶ価値がある。

「更に、その招待状を手に入れるのに骨を折ったよ。色々とツテを回って…。『frontier』に出資してる『R&B』社って知ってるよね?」

「えぇ。アイズの作った企業ですよね」

「そう、それ。そこの代表として、パーティーの招待状を何とか手に入れたんだ。私の代理人ということで参加してもらえるかな」

「分かりました」

この短期間で、貴族の誕生日パーティーの招待状をもぎ取るとは。

アイズの顔の広さを痛感しますね。

「アイズにそこまでしてもらったからには、俺も手柄をあげない訳にはいきませんね。速攻で落としてみせますよ」

「さすがルレイア師匠…。息をするようにハーレムの会員を増やすとは…。僕も見習わなきゃいけませんね」

「見習うな、ルーチェス。こんなのが二人も増えてたまるか」

ちょっとルルシー。こんなの、ってどういう意味ですか。

素敵なルレイアのようになりたい、って思うでしょう?

全国の子供達の憧れですから。俺。

「それとルレイア。お前が行くなら、俺も行くからな。一人で勝手に行くんじゃないぞ」

「え、ルルシーも来るんですか?」

「邪魔なのは分かってるよ。お前がその…仕事してる時は、離れて見てるよ」

…さては、貴族が集まるパーティーと聞いて、ルルシーの心配性スイッチが入りましたね。

全くもう。ルルシーったら、相変わらず心配性なんだから。

相手が女である限り、俺に落とせない相手は…まぁ、まず滅多にいませんよ。

ルヴィアさんの嫁みたいな、一部落とせない例外もいるのでね。

「分かりました。じゃあ、ルルシーは俺の御付きとして、一緒に来てくれますか?」

「あぁ。任せろ」

そうと決まれば、早速今夜の素敵なパーティーに参加する準備を始めるとしましょう。