The previous night of the world revolution8~F.D.~

そうと決まれば、早速。

「ルーチェス。カミーリア家に女はいますか?」

「勿論。僕の記憶だと、確かカミーリア家には、中年の奥様と、更に年頃の娘が二人います」

「成程。それは僥倖でしたね」

まぁ、仮に女がいなかったとしても、男でも落とせる自信はありますけど。

やはり女の方が色んな意味で「やりやすい」ので、都合が良い。

夫婦生活にマンネリしてきた中年の女…。非常に狙い目。

更に、そこに年頃の娘までいるとは。

俺に狙ってくださいと言ってるようなものだ。

「確か、姉の方は二十歳そこそこ、妹は十代後半くらいですかね」

「それは素晴らしいですね」

個人的には、もう少し成熟した方が好きですけど。

そのくらいの年齢なら、充分狙い目だろう。

俺だって、中年のババァより、年若い女の方が「美味しい」ですからね。

「…おい。お前らさっきから、何の話してるんだ」

ルルシーは、ジト目でこちらを睨んでいた。

いやん。その表情も素敵。

「ルレイア、お前もしかして…」

そう、そのもしかしてですよ。

「『ローズ・ブルーダイヤ』をもとある場所に戻す…。その為には、疑われずにカミーリア家の宝物庫に入り込む必要があります」

「それは分かってる。でも、どうやって…」

…そんなの決まってるじゃないですか。

「カミーリア家に合法的に忍び込むには、カミーリア家の人間に取り入るのが一番手っ取り早い。ですよね?」

「…!お前、やっぱり…!」

…ふっ。ルルシーも気づいたようですね。

そうですよ。

「カミーリア家の女性をたぶらかすつもりか…!?」

「そんな、俺を悪者みたいに言わないでくださいよ。失礼な…。ちょっとハーレムの会員が増えるだけじゃないですか」

アリューシャじゃないけど、これがいつもの…俺の…日常ですよね?

俺のハーレムの会員になる、とっても幸せな女性が一人二人、増えるだけです。

俺も『ローズ・ブルーダイヤ』を返却出来るし、カミーリア家の女も俺のハーレムに入れるし。

誰も困らない、皆が幸せになるウィンウィンの計画ですよね。

いやぁ素晴らしい。

「さすがルレイア師匠。この危機的状況でも、誰もが幸せになって丸く収まる解決法を模索するとは…」

「あぁ。ルレイア先輩にしか出来ない、素晴らしい解決方法だ」

「…」

「…」

ルーチェスもルリシヤも褒めてくれたのに。

ルルシーとセルテリシアさんは、互いに「えぇ…」みたいな顔で無言だった。

きっと二人共、この超平和的な解決法に感心してくれてるんですね。そうに違いない。

「さて、そうと決まれば…。『青薔薇連合会』本部に帰って、ターゲットに接触する方法を考えましょうか」

「…こうして、またルレイア・ハーレムの犠牲者が増えていくんだな…」

ちょっとルルシー?犠牲者って何ですか。

俺は全員幸せにしてあげてるんだから、そう言われるのは大変心外ですね。