The previous night of the world revolution8~F.D.~

「今は、国境の警備も厳しくなっている。ルレイア先輩とルルシー先輩だけで、今から海外逃亡するのは難しいだろうな」

私の懸念を、ルリシヤが言葉にしてくれた。

「…!無理なのか?コソッと、ゴキブリアリューシャみたいにそーっと海外に逃げちゃ駄目なの?」

アリューシャはゴキブリじゃないよ。

「早い話、僕達の考えることなんて、捕まえる側も承知してるんですよ。アシスファルト帝国との国境、更に箱庭帝国との国境は、特に厳しく監視されていると思って良いでしょうね」

と、ルーチェス。

その通り。私達が考える逃走ルートなんて、帝国騎士団も把握しているはず。

だから、そうさせない為に、アシスファルト帝国、箱庭帝国との国境は、厳しく守られているはず。
 
帝国自警団の庇護を失えば、容易には逃げられないだろう。

正式に容疑者に認定されてしまった直後なら、まだ守りが堅くなる前に逃げられたかもしれない。

しかし今は、既にルレイアが容疑者に認定されて何日も経っている。

国境の守りも厳重になっているはずだ。

そういう意味では、ルレイアは完全に、国外に逃亡する機会を逸しているのだ。

…かなり、難しいことになってしまったね。

「そんな…。何とか出来ないの…?ルレイアを守る為に…何とか…」

呆然と呟くシュノ。

「何とかしてあげたいのは、私達だって同じだよ」

「私達はこれまで何度も、ルレイアに助けられてきたのにっ…。私達は、ルレイアの為に何もしてあげられないって言うの…!?」

堪え切れなくなったのか、シュノは涙を滲ませながら訴えた。

…返す言葉がないね。

「あー!シュー公泣かした!いーけないんだ!帝国自警団の奴ら、ぜってー許さねぇからな!」

泣き出すシュノを見て、アリューシャも激怒。

悪いのは帝国自警団じゃなくて、その中にいる真犯人Xだけどね。

「落ち着いて、シュノ。アリューシャも」

確かに状況は良くないけれど、絶望的と言うほどではない。

この程度、私達はこれまでだって、何度も乗り越えてきたはずだよ。

だから今回も、同じように乗り越えよう。

「ルレイアもきっと今頃、冷静に判断してるはずだよ」

「確かに…ルレ公だったらへーぜんとしてそう」

「むしろ、狼狽えまくるルルシー先輩に『落ち着いてください、ルルシー』とか言ってそうだな」

「確実に言ってますね」

アリューシャとルリシヤ、そしてルーチェスが言った。

うん。私もそう思うよ。

「私達の役目は、ルレイアとルルシーを陰ながらサポートすること。そして、真犯人を見つけることだ」

「…!そっか!真犯人を見つけたら、ルレ公が逃げる必要なくなるんだよな!?」

「そう、その通りだよ」

「よっしゃ!じゃあ犯人見つけようぜ!」

それで簡単に見つけられたら、苦労はしないんだけどね。

でも、今回の件で大きなヒントを得た。

「…ルーチェス、急ぎ調べて欲しいことがあるんだけど、良いかな?」

「勿論です、アイズ総長。ルレイア師匠の為なら、何でもやりますよ」

ありがとう。

それじゃ、私達は今ここで、私達に出来ることをしよう。