The previous night of the world revolution8~F.D.~

俺とルルシーは、そのまま帝国自警団本部に直行した。

牢屋が待っているのかと思いきや。

用意されていたのは、以前俺が帝国自警団にお世話になっていた時に使っていた、あの部屋だった。

「二人共、ここ使ってくれるかな。ルレイア卿は前にも来たことあるよね」

「えぇ。覚えてますよ」

あの時は一人だったけど、今日はルルシーが一緒ですね。

「突然のことだったから、二人分の部屋が用意出来なかったんだけど…」

「良いですよ。二人一緒で」

「むしろ、俺はルレイアと同室じゃないと困る」

え?ルルシー、それってまさか…。

「ルルシー…あなた、まさかこんなところで…!」

「…何を誤解してるのか知らないが、見張ってないと不安なだけだからな」

「にゅふふふ…」

「その気持ち悪い笑い声やめろ」

気持ち悪いってどういう意味ですか。

俺の微笑みは素敵でしょう?

ブロテもブロテで、細かいことは気にしないタチなのか。

あるいは、お得意の天然属性を発揮したのか。

「それは良かった。じゃ、二人でこの部屋を使って。何か必要なものがあったら教えてね」

「はい、分かりました」

俺はルルシーと共に、懐かしい部屋に入った。

以前来た時と、特に変わったところはない。

「お。久し振りに来ましたねー。ここ」

「…」

ルルシーは俺の言葉に答えず、警戒心剥き出しで周囲を見回していた。

…出ましたね。ルルシーの心配性が。

何か、罠が仕掛けられてるんじゃないかと。

「大丈夫ですって、ルルシー…そんなに心配しなくても」

「…多分大丈夫なんだってことは分かってるよ。でも、お前があまりに無警戒で無防備だから、俺が代わりに二人分警戒してるんだ」

いつもありがとうございます、ルルシー。

あなたのそういうところが大好きです。

じゃ、俺の分の警戒は、ルルシーが代わりにやってくれてるんで。

俺は呑気に、紅茶でも淹れて飲みましょうかね。

「ふー。じゃあちょっと寛ぎますか。ルルシー、ミルクティーとレモンティーどっちにします?」

「…コーヒー」

もー、ルルシーったら困ったちゃん。

じゃ、リラックス出来るようにミルクティー淹れてあげますかね。

俺が紅茶を淹れている間、ルルシーはルリシヤさながら。

室内に盗聴器の類が仕掛けられていないか、事細かにチェックしていた。

ソファの下を覗いたり。コンセントの近くを物色したり。

果ては、テーブルの上に登って、蛍光灯を外して確認している始末。

完全に不審者ですよ。もー…。

「ルルシーったら…。本当に大丈夫ですって」

テーブルから降りてくださいよ。紅茶置けないじゃないですか。

「…カメラや盗聴器はなさそうだな」

「帝国自警団に、俺達を監視する必要はありませんからね」

その点では、ブロテをもう少し信用してやっても良いと思いますよ。