The previous night of the world revolution8~F.D.~

温かい餞別の言葉をくれたのは、シュノさんだけではなかった。

「ルレ公、アリューシャも忘れんなよ!狙撃して欲しい奴がいたら、アリューシャに言えよ。誰でも撃ち抜いてやるから」

「はい…。そうします」

もし追手に追いつかれてにっちもさっちも行かなくなったら、その時はアリューシャに頼みますよ。

非常に頼もしい。

それから。

「ルレイア先輩、これを持っていけ」

ルリシヤが、手のひら大のポーチを差し出した。

「これは…?」

「逃亡中は、何があるか分からないからな。もし困ることがあったら、それを開けてみてくれ。ルレイア先輩の役に立つかもしれない」

「僕も一緒に中身を詰めたんですよ。離れていても、ルレイア師匠の手助けが出来るように」

ルリシヤと、それからルーチェスがそう言った。

…成程。そういうことなら、有り難く受け取っておきましょう。

それから。

「潜伏中、私達に何か伝えたいことや頼みたいことがあったら、このアドレスか、この電話番号を使って」

今度はアイズが、小さなメモ用紙を差し出した。

そこには、電話番号と、メールアドレスが一つずつ記載されていた。

「この番号は盗聴の恐れはないし、こっちのアドレスは私のシークレットアドレスだから。誰にも見られることはないよ」

「分かりました。いざという時は、使わせてもらいます」

「良い?二人だけでどうにも出来ないことが起きたら、必ず連絡するんだよ。何があっても助けに行くから」

「…ありがとうございます」

こんな感動的な瞬間ってありますかね。

仲間との絆の有り難みが、心に染み渡るようですよ。

「…それと、ついさっき届いたよ。アシュトーリアさんから伝言」

アイズが、自分のスマホを取り出して、その画面を俺とルルシーにみせた。

そこには、事情を聞きつけたアシュトーリアさんから、温かい言葉が記されていた。

『何があっても、何処に行っても、あなた達は私の大切な家族よ。
だから、必ず無事に帰ってきなさい。』

とのこと。

「…勿論、そのつもりですよ。アシュトーリアさん…」

多くは語らないってところが格好良いですよね。

必ず帰ってきます。

俺は、心にそう決めた。

ルルシーもきっと、同じ気持ちだと思う。

…それじゃ。






「行ってきます。皆さん」

「行ってらっしゃい。ルレイア、ルルシー」



俺とルルシーは、かけがえのない仲間達に手を振って。

二人、当て所もない逃避行に出発した。