帰り道、俺とルルシーは近場のカフェに寄り。

自分用に、あったかいミルクティーと。

それから、ルルシーには。

「はいルルシー。あんみつきな粉フラッペどうぞ」

「あぁ、ありが…。って、冷たっ…。この寒いのに、俺だけフラッペかよ」

えへへ。ちょっとした悪戯心です。

「どう?美味しいでしょう?」

「…美味いけど…。俺もあったかいのが良かったよ…」

顔をしかめながらフラッペを飲むルルシーが、何とも可愛らしかった。

「俺のミルクティー、飲んでみます?」

こっちはほっかほかですよ。

是非とも、俺が口をつけたストローで飲んでください。

しかし、ルルシーは。

「いや…。今熱いもの飲んだら、口の中が温度差で死ぬ…」

あ、そうですか。

じゃ、帰ったらぬくぬくしましょうよ。

こたつに入って、皆で人生ゲームして遊びましょう。

「怒りました?ルルシー」

「いや…別に。このくらいじゃ怒らないけど…」

そうですか。それは良かった。

「それに…ふざけたり、冗談を言うような余裕がルレイアにあることに安心してる」

ほう。

「俺、そんなに余裕ないように見えます?」

「…見えるよ。その…帝国騎士官学校に関することは…特にな」

「そうですか」

心配させたみたいですね。随分と。

「取調室から出てきた時…凄く…余裕ない顔してたから。余計心配だった」

あちゃー。やっぱりバレてましたか。

まぁ、我ながら、自覚するほど不機嫌でしたからね…。

「あいつら…。またルレイアに濡れ衣を着せようとして…。絶対許さない」

「あくまで、ルルシーは俺が無罪だと思ってるんですね」

「そりゃ無罪だろ。昨日の夜は、ずっと一緒にいたじゃないか」

ですよね。

ルルシーは、俺にアリバイがあることを知っている。

「それにな、仮にお前が犯人だったとしても、俺はいつだってお前の味方だよ」

聞きました?今のルルシーの台詞。

録音して、スマホの着信音にしたい。

「ありがとうございます、ルルシー」

「礼はいい。当たり前のことだ」

そういうことを、平然と言っちゃうから。あなたって人は。

ルルシーに一緒に来てもらって良かったと、心から思った。