The previous night of the world revolution8~F.D.~

マリーフィアを置き去りに、清々しい思いでカミーリア家を出た。

ちなみに、メリーディアのことはそのまま放置している。

彼女は俺が裏切り者だと知っているが、そのことはもう気にしていない。

マリーフィアもユリーフィア母も、俺のことを全面的に信頼しきっている。

時間をかけてそのように洗脳したのだから、当然である。

メリーディアがいくら本当のことを…俺が『ローズ・ブルーダイヤ』を狙ってこの屋敷に来たことを話しても。

「ルナニアさんがそんなことする訳ありませんわ」と一喝されるのは、目に見えている。

ましてやメリーディアは、ただでさえ、この家でぞんざいな扱いを受けている身。

余計、メリーディアの言うことなんて誰も聞く耳を持たないだろう。

それが分かっているからこそ、俺はメリーディアに本当のことを話したのだ。

そこまで全部想定済み。

いやはや。ここまで完璧に任務を達成出来たら、気持ち良いですね。

あとは、あの忌々しい帝国騎士団に、辞表届を出すだけである。




カミーリア家を後にした、その翌日。

朝、早速ルルシーに、目的を達成したことを伝えた。

すると。

「本当か!?」

「は…はい…」

ルルシーは予想以上に食い気味に、俺の肩をがっしりと掴んだ。

びっくりしましたよ。大胆ですねルルシー。

ここが屋外じゃなかったら、そのまま押し倒してくれて良かったんですけどね。

「大丈夫か?危険なことはなかったんだろうな?」

「は、はい…。大丈夫ですけど」

「怪我はないな?無事なんだな?」

「この通り、ピンピンしてますよ」

元気いっぱいのルレイアですよ。

「…そうか…。そうなんだな…良かった…」

「ルルシーったら、また心配してたんですか?」

「当たり前だろ。お前は常日頃、俺に心配と不安をかけてるんだってことを自覚しろ」

それは済みません。

俺のせいで、ルルシーの心労が尽きませんね。

「済みません。でも、目的は達成しましたから」

「そうか。それで…結局、『ローズ・ブルーダイヤ』はどうなった?カミーリア家の宝物庫に戻したんだよな?」

えーと…それは…。

この場で、先にルルシーだけに説明しても良いんですけど…。

「…それについては、『青薔薇連合会』に帰ってから、アイズ達の前で説明しても良いですか?」

「何?」

疑うような眼差しで、ジロッとこちらを見るルルシー。

自分が信用出来ないと言うのか、と思っているのだろうか。

それは大きな間違いだ。

「済みません。ルルシーを信用してない訳じゃなくて…」

「そうじゃない。ただ、危険なことを隠してるんじゃないかって心配してるだけだ」

あぁ、成程そういうこと。

危険…ない、とはっきり言えたら良かったんですけどねぇ。

「…正直、何とも言えません」

「あっそ。じゃあ言え」

ちょっと。

そこは俺の意志を尊重して、「分かった。それなら待つ」と言ってくれるところじゃないんですか。