The previous night of the world revolution8~F.D.~

…そう。そういうことですか。

よく分かりましたよ。

…実は、そんなことじゃないかと思ってました。
 
想像していた中で、一番嫌なシチュエーションですね。

…だが、そういうことなら仕方がない。

何にせよ、俺がこの屋敷でやるべきことは、これで終わった。

俺は、偽物の方のジュエリーボックスを手に取った。

さぁ、もう用はない。

万が一にでも屋敷の者に見つかる前に、ここを出るとしよう。

…すると。

「…そこで何をしてるの?」

…おっと。

これはこれは…絶妙なタイミングですね。

どうやらあなたとは、雌雄を決さなければならない仲のようだ。

「こんばんは…メリーディアさん」

「あなた…ここで一体何をしてるの?」

メリーディアは、驚愕に目を見開いていた。

「どうしてここに…私でも入れないのに…」

「さぁ…どうしてでしょうね」

大して難しくありませんよ。
 
メリーディアでも、やろうと思えば簡単だ。

「…!それ…」

メリーディアは、俺の手に握られたジュエリーボックスに気づいた。

…当然ご存知ですよね。あなたも。

「その宝石箱…『ローズ・ブルーダイヤ』の…」

「ご明察です」

「どうしてそれを…あなたが…。…もしかして…!」

「…もしかして…何です?」

「『ローズ・ブルーダイヤ』を…盗んだの…!?」

…ふーん。

名探偵メリーディアさんですね。

ですが、その推理は間違いです。

「盗んだりしませんよ。俺は宝石になんか興味はありません」

「じゃあ…その手に持ってるものは…」

「ただ、これが当初から俺の目的だったことは事実です」

別に、黙ってても良いんですけどね。

まぁ、今の俺は任務が無事に終わって気分が良いので。

教えてあげますよ。…あなたにだけは、ね。

「これが目的…?どういうこと?あなたは…あなたは、本当にマリーフィアのことが好きだから、この家に結婚してきたんじゃ…」

「そんな訳ないでしょう。馬鹿にしないでください」

俺がルルシー以外を好きになるなんて、天地がひっくり返ったとしても有り得ない。

「俺がここに来たのは、『ローズ・ブルーダイヤ』の為です。ただし…盗む為ではなく、戻しに来たんですが」

「戻す…?どうして…」

「間抜けなあなた達は気づいてなかったんでしょう?今からおよそ3ヶ月前…俺がマリーフィアと出会う数週間前に、この宝物庫から『ローズ・ブルーダイヤ』が盗まれてたことを」

「…!?」

…今初めて聞いた、って顔ですね。

そうでしょうよ。…全く、間抜け極まりない。