俺はユリーフィア母の寝室を出て、真夜中の屋敷を歩いた。
向かう先は、勿論…カミーリア家の宝物庫だ。
ここに来た最初の晩、メリーディアと会った場所。
そこには、今夜は誰もいなかった。
暗闇の中、俺はユリーフィアの部屋からパクっ…拝借してきた小さな鍵を差し込んだ。
それから、メモ用紙に書いてあったパスワードを入力する。
指紋認証は簡単だ。眠っているマリーフィアなりユリーフィアの指紋を取ってくれば良い。
さぁ、これで開かずの宝物庫が開く。
重く、低い音がして、宝物庫の物々しい扉が開いた。
…やっと入れますね。
センサーやカメラの類がないか、細心の注意を払いながら、そっと宝物庫に侵入する。
広くて暗い宝物庫の中には、ガラスのショーケースがたくさん並べられていて。
その中に、色とりどりの大小の宝石達が飾られていた。
ここにある宝石は、カミーリア家が代々、受け継いできた貴重なものである。
見る人によっては、この宝石の煌めきに惑わされ、心を奪われるのだろうが…。
俺は、そんな御大層な宝石に興味はない。
俺が用があるのは、『ローズ・ブルーダイヤ』だけだ。
その一番大切な宝石は、宝物庫の一番奥、一番目立つところに、王様のように鎮座していた。
俺は、そっとそこに近づいた。
青いクッションの上に、『ローズ・ブルーダイヤ』のジュエリーボックスが置いてあった。
それから、俺は自分のコートのポケットを探った。
そこに入っていたのは、ジュリスさんから渡された、盗まれた『ローズ・ブルーダイヤ』のジュエリーボックス。
同じジュエリーボックスが二つ。
恐らく、盗み出した犯人が、全く同じ見た目のジュエリーボックスを用意して、こうしてすり替えたのだろう。
成程。今日に至るまで、『ローズ・ブルーダイヤ』の紛失に気づかなかった訳ですよ。
本物のジュエリーボックスを開けられるのは、マリーフィアとユリーフィアだけ。
外側だけでも同じジュエリーボックスを置いておけば、素人目から見れば、すり替えには気づかない。
見た目だけは、二つ共全く同じに見える。
だが、二つのうち一つは偽物なのだ。
そしてもう片方には、本物の『ローズ・ブルーダイヤ』が入っている。
…じゃあ、確かめてみましょうか。
俺はまず、ジュリスさんに渡されたジュエリーボックスではなく。
宝物庫に置いてあった方のジュエリーボックスを手に取った。
この複雑なからくり箱の開け方は、マリーフィアの部屋で覚えてきた。
オツムの弱いマリーフィアは、何年もかけて覚えたそうだが。
俺にかかれば、5分も読めば覚えられる。
正確な手付きで、からくり箱を開けていく。
何十もの手順を経て、ようやく。
カチッと音がして、箱が開いた。
「…!」
そのジュエリーボックスの中に、入っていたのは…。
向かう先は、勿論…カミーリア家の宝物庫だ。
ここに来た最初の晩、メリーディアと会った場所。
そこには、今夜は誰もいなかった。
暗闇の中、俺はユリーフィアの部屋からパクっ…拝借してきた小さな鍵を差し込んだ。
それから、メモ用紙に書いてあったパスワードを入力する。
指紋認証は簡単だ。眠っているマリーフィアなりユリーフィアの指紋を取ってくれば良い。
さぁ、これで開かずの宝物庫が開く。
重く、低い音がして、宝物庫の物々しい扉が開いた。
…やっと入れますね。
センサーやカメラの類がないか、細心の注意を払いながら、そっと宝物庫に侵入する。
広くて暗い宝物庫の中には、ガラスのショーケースがたくさん並べられていて。
その中に、色とりどりの大小の宝石達が飾られていた。
ここにある宝石は、カミーリア家が代々、受け継いできた貴重なものである。
見る人によっては、この宝石の煌めきに惑わされ、心を奪われるのだろうが…。
俺は、そんな御大層な宝石に興味はない。
俺が用があるのは、『ローズ・ブルーダイヤ』だけだ。
その一番大切な宝石は、宝物庫の一番奥、一番目立つところに、王様のように鎮座していた。
俺は、そっとそこに近づいた。
青いクッションの上に、『ローズ・ブルーダイヤ』のジュエリーボックスが置いてあった。
それから、俺は自分のコートのポケットを探った。
そこに入っていたのは、ジュリスさんから渡された、盗まれた『ローズ・ブルーダイヤ』のジュエリーボックス。
同じジュエリーボックスが二つ。
恐らく、盗み出した犯人が、全く同じ見た目のジュエリーボックスを用意して、こうしてすり替えたのだろう。
成程。今日に至るまで、『ローズ・ブルーダイヤ』の紛失に気づかなかった訳ですよ。
本物のジュエリーボックスを開けられるのは、マリーフィアとユリーフィアだけ。
外側だけでも同じジュエリーボックスを置いておけば、素人目から見れば、すり替えには気づかない。
見た目だけは、二つ共全く同じに見える。
だが、二つのうち一つは偽物なのだ。
そしてもう片方には、本物の『ローズ・ブルーダイヤ』が入っている。
…じゃあ、確かめてみましょうか。
俺はまず、ジュリスさんに渡されたジュエリーボックスではなく。
宝物庫に置いてあった方のジュエリーボックスを手に取った。
この複雑なからくり箱の開け方は、マリーフィアの部屋で覚えてきた。
オツムの弱いマリーフィアは、何年もかけて覚えたそうだが。
俺にかかれば、5分も読めば覚えられる。
正確な手付きで、からくり箱を開けていく。
何十もの手順を経て、ようやく。
カチッと音がして、箱が開いた。
「…!」
そのジュエリーボックスの中に、入っていたのは…。


