The previous night of the world revolution8~F.D.~

ユリーフィア母は、ソファに背中を預けてぐっすりと眠っていた。

見ました?これが違法葉っぱの効力ですよ。

いやはや。恐ろしいですね。
 
俺は寝落ちしたユリーフィア母を抱きかかえ、ベッドに横たわらせた。

よし。あとは母子共々、朝まで寝ててくれ。

俺は先程と同様に、ティーカップをよくよく洗って、新しい普通のハーブティーを注いで、証拠を隠滅した。

何故、マリーフィアだけに限らず、ユリーフィアまで眠らせたのか。

その理由は一つだけ。

マリーフィアと同じく、家探しの為だ。

宝物庫の鍵、貸してもらわなきゃいけませんからね。
 
…え?そんな大事な鍵、一晩家探しするだけで見つけられるのか、って?

大丈夫ですよ。

だって、マリーフィアの部屋にあった、『ローズ・ブルーダイヤ』の開け方を書いた大学ノートだって、たった15分で見つけたんですよ?

この母親が娘とそっくりであることは、これまでの経験でよーく分かっている。

つまり、宝物庫の鍵の隠し場所も…。

「…ふむ」

まず最初に、ウォークインクローゼットを開けてみる。
 
そこには、マリーフィア以上の大量の服がみっちり、下から上まで、手前から奥まで詰まっていた。

「…うわぁ…」

その全てがおばさん趣味で、マジで吐き気がしそう。

ほらね?親子そっくりじゃないですか。

そこの本棚だって。ろくに本なんか入ってなくて、物置と化している。

知性というものが足りてない親子だ。

ってことは、やはり大切なものの隠し場所も…。

俺は、ほとんど使われていないらしい、ユリーフィアのワークデスクの引き出しを開けた。

ほんの少し探るだけで、すぐにそれらしいものが見つかった。

「…あった」

小さな鍵が、無造作にそのまま入れてあった。

ご丁寧に、白いタグがついていて。

そのタグに、「宝物庫」と水性ペンで書いてある。 

おまけに、小さなメモ用紙がクリップで留めてあった。

そのメモ用紙には、意味不明な数字とアルファベットの羅列が書いてあった。

すぐにピンと来た。
 
これはパスワードだ。

宝物庫の厳重な扉を開ける為のパスワード。

鍵とパスワードを同じ場所に保管するなんて。絶対やっちゃいけないことですよ。

だが、俺としては非常に助かる。

ここまで、捜索時間僅か5分。

…な?苦労しないって言っただろう?

不用心にも程がありますよ。

こんなんじゃ、『ローズ・ブルーダイヤ』を盗むのも容易そうですね。

俺は、その小さな鍵を手に取った。

さぁ、必要なピースはこれで揃った。

あとは、一番大切な作業に移るとしよう。