The previous night of the world revolution8~F.D.~

俺は、マリーフィアにしたのと同じように、違法葉っぱハーブティーをティーカップに入れ。

それをお盆に乗せて、ユリーフィア母の寝室を訪ねた。

「こんばんは、ユリーフィアお義母様」

「あら…?ルナニアさんじゃありませんの」

もう寝ているかと思ったが、ユリーフィア母はまだ起きていた。

どうやらスキンケアの真っ最中だったようで、ドレッサーの前に腰掛け、顔にベタベタと保湿クリームを塗っていた。

保湿クリームの、品のないバラの香りが鼻をつく。

くさっ…。おばさん臭い匂いがする。

それを必死に堪えながら、俺はにっこりと微笑んだ。

「こんな時間に、どうしたんですの?マリーフィアは?」

まぁ、当然の質問ですよねぇ。

しかし、ここに来る前に台詞は考えてある。

「それが…今日、美味しいハーブティーを同僚に分けてもらったので、マリーフィアさんに飲んでもらおうと思ったんですが…お茶を淹れている間に、眠ってしまわれたようで…」

「まぁ…」

「一人で二人分飲むのも何ですし…それなら、ユリーフィアお義母様に召し上がっていただこうと思って、持ってきたんです」

大嘘。

本当は、ユリーフィアにも眠ってもらう為に持ってきた。

しかし、あのマリーフィアの母親が、俺の下手な嘘を疑うはずはない。

案の定。

「そうだったんですのね…。じゃ、遠慮なくいただきますわ」

ほらな。チョロいだろ?

ユリーフィア母は、ドレッサーの前から離れ、お茶を飲む為にテーブルについた。

「良かったです。さぁ、どうぞ。飲んでみてください。リラックス効果があるそうですよ」

「ありがとう」

慣れた手付きでティーカップを手に取り、鼻を寄せて、そっとその香りを嗅いだ。

「うん…。とても良い香りですわね。これまで嗅いだことのない良い匂いですわ」

違法葉っぱ(ry。

「そうでしょう?なかなか手に入らない、貴重なお茶なんです」

「へぇ…。そんな貴重なお茶を楽しめるなんて、嬉しいですわ」

そうだろう?

是非とも美味しく召し上がれ。

ユリーフィア母は、無警戒にお茶を飲んだ。

ふっ。チョロいチョロい。

「うん、美味しいですわ」

「それは良かったです。たまにはユリーフィアお義母様とこうしてお茶をするのも、悪くないですね」

これが、最初で最後の機会ですけどね。

「そうですわね…。…そうだ、ルナニアさん。あなた…」

「はい?」

「マリーフィアに聞きましたけど、あなた、最近あのメリーディアとも仲良くしているそうですわね?」

…ほう?

それが何か問題でも?と言いたいところですが…。

「えぇ。メリーディアさんは、俺にとって大切なお姉さんですからね」

「確かに…姉ではありますけれど。あの子は卑しい貧民の子なんですのよ。無理して親しくする必要はありませんわ」

お前という奴は。 

それが、仮にも母親の言葉か?

旦那の愛人の娘なんて、どうやらユリーフィアにとっては世界一憎い相手であるようだ。

「さっさと出ていってくれたら良いんですけどね…。全くもう…」

「まぁまぁ、そう仰有らず…。俺は、カミーリア家の皆さんに仲良くして欲しいんですよ」

「マリーフィアやあなたとは…仲良くしたいと思ってますわよ。わたくしだって…」

…来た。

違法葉っぱ茶が効いてきたようだな。どうやら。

中年太りのせいか、娘のマリーフィアよりは効きが遅かったようだが。

ユリーフィアは、手で口元を覆って、大あくび。

「ふぁ…。何だか、急に眠くなってきましたわ…」

「眠っても結構ですよ」

「いえ…そういう訳には…いか、な…」

「…ユリーフィアさん?」

「…zzz…」

はい。作戦大成功。