The previous night of the world revolution8~F.D.~

大学生のワークデスクと言ったら、辞書やテキストや講義で配られたレジュメや。

研究論文とかレポート用のノートパソコンが置いてある…のが、一般的なイメージだと思う。

しかし、レポートは他人任せ、講義だって家族に代返を頼む、不良学生のマリーフィアの机には。

鉛筆一本、レポート用紙一枚も見当たらない。

机の上には、お洒落なスノードームやら、コスメポーチやら、あとは無駄に可愛いデスク小物が置いてあるだけ。

とてもじゃないけど、落ち着いて勉強出来る環境じゃない。

あいつ、まともに勉強する気ゼロだな。

だからこそ、探しやすいとも言えるが。

机の引き出しを開け、中を探った。

予想通り、こちらも大したものは入っていない。

マリーフィアの性格からして、いかに大事なものでも、厳重に隠すようなことはしないはずだ。

恐らく、すぐに見つかるはず…。

「…!」

二つ目の引き出しの中に、古びた大学ノートを見つけた。

雑誌の切り抜きにまみれて、うっかり見逃すところだった。

大学ノートを手に取り、注意深く見つめた。

…何か仕掛けられている、ようには見えないが。

そっと大学ノートを開いてみると。

「…見つけた」

捜し物は、僅か15分程度で見つけられた。

な?チョロいって言ったろ?

ノートには、『ローズ・ブルーダイヤ』が入ったジュエリーボックスの開け方が、懇切丁寧に書き記してあった。

…成程ね。

その手順は複雑で、難しく、ややこしい。

これは、マリーフィアのオツムじゃ覚えられないでしょうよ。

5分くらいかけて、じーっとノートを見つめ。

俺は、パタンとノートを閉じた。

はい、ありがとうございました。

あとは、気づかれないようにハンカチで指紋を拭き取って、引き出しの中に戻す。

古ぼけた雑誌の切り抜きを上に乗せて、証拠隠滅。

これでOK。

…あと、やるべきことと言えば…。

「…」

俺は、その場で少し考えた。

さすがにもう少し時間がかかるかと思ったが、めちゃくちゃ早く見つかっちゃったし。

念の為、ベッドで眠るマリーフィアを確認してみたところ。

脳天気なお嬢様は、部屋の中を家探しされたとも知らず、まだまだぐっすり眠っている。

違法葉っぱの効果で、起こされなければ、恐らく明日の午前中いっぱいは眠ってるはずだ。

…鬼の居ぬ間にやった方が良いよな。

…いっそ、もう今日、今夜やってしまうか。

即断決行。

俺は再び、違法葉っぱハーブティーを淹れ直した。

次のターゲットは、マリーフィアの母、ユリーフィアである。