The previous night of the world revolution8~F.D.~

ルリシヤの傍を離れ。

騒ぎが聞こえる方に足を進めると。

「くっ…!その人を離せ!」

「女性を人質に取るなんて、恥ずかしくないの!?」

…女性帝国騎士の声が聞こえてきた。

ルレイアと共に、そっと顔を出して様子を伺ってみる。

すると、そこでも修羅場が繰り広げられていた。

「近寄らないでください!良いですか、僕は王太子なんですよ。おう、たい、し!なんか凄くえらーい立場なんです!」

と、喚いている男が一人。

で、その男は片手にナイフを持ち、もう片方の手で、女性を抱いていた。

…男が、女性を人質に取って、帝国騎士達を脅している模様である。

「きゃー。たーすーけーてー」

人質の女性が、棒読みで助けを求めていた。

…すげー楽しそうなんだけど。あの人質。

それもそのはず。

「…何やってんだ、ルーチェス…」

「と、ルーチェスのお嫁さんですね」

ナイフを持っているのは、ルレイアの弟子であるルーチェス。

そのルーチェスが人質として片腕に抱いているのは、ルーチェスの嫁の…セカイさん、だっけか。

「僕は王太子なんですからね。何でも出来るんですよ。ほらこの通り。セカイさんのちっぱいおっぱいを、もみもみしたり…」

「ふにゃぁぁぁん!」

「むっちむちの太ももを、むにむにと触ったり…」

「ひゃぁぁぁん!ルーチェス君のえっちぃぃ!」

…何やってんの?あいつ。

公然猥褻罪。

「王太子ですからね!」

ドヤァ。

…王太子関係なく、いつもやってるだろ。お前。

そんな情けない弟子の姿を見て、ルレイアは恥じるどころか。

「さすが俺の弟子…!良い手さばきです」

「…感心してる場合かよ…」

手さばきって何だよ。

ただのセクハラじゃん。

いや待て。あいつら夫婦だし、ルーチェス嫁も心無しか嬉しそうだし。

ギリギリ合法…と、言えなくもない。

ギリギリだけどな。

「何なの、この人…。自分が王太子だなんて…狂ってるとしか思えないわ」

「きっと精神異常者なのよ。まともに相手しちゃ駄目よ」

女性帝国騎士達は、完全に狂人を見る目。

…まぁ、片手にナイフ、片手に嫁の胸を揉みしだいている男を見たら、誰でもそう思うだろうが。

王太子なのは事実なんだよな…。実は…。

「その女性を離しなさい!変なことを考えるんじゃないの!」

女性帝国騎士は腰の剣を抜き、ルーチェスを威嚇した。

しかし、ルーチェスは。

「変なこと…?僕がいつ変なことをしたって言うんですか!?」

今だよ。

現在進行形だろうが。

「良いから、その女性を離しなさい!ナイフを下ろして!」

「いいえ、嫌です!そっちこそ、近寄らないでください。それ以上近寄ったら…」

…近寄ったら?

「おっぱいもみもみ改め…こちょこちょの刑です!」

「ふやぁぁぁぁん!」

片手で、嫁の脇の下をこちょこちょ。

…何だろう。

ルーチェスは、俺の大切な仲間なんだけどさ。

今だけは、心底帝国騎士に成敗されてしまえと思った。