しかし、ルレイアが企画した、避難訓練という名の悪ふざけは、これだけに留まらない。
「ひ、避難するべきか…?」
「い、いや。逃げ遅れてる人がいるかもしれない。見に行ってみよう」
さすがは、正義の帝国騎士。
逃げたいのを必死に堪えて、人命救助に乗り出そうとは。
「…ちっ」
帝国騎士の醜態を見たかったルレイアは、助けに乗り出そうとする彼らを見て、舌打ちをこぼしていた。
…良いじゃないか、ルレイア…。
しかし。
ここで、ルレイアが用意したトラップが炸裂する。
「う、うぅっ…。た、助けてくれ…!」
「!?」
助けに行こうと話し合う、帝国騎士達の前に。
帝国騎士の白い制服を、真っ赤に染めて。
ボタボタと血を流す脇腹を、苦しそうに片手で押さえ。
ふらふらと、覚束ない足取りで、助けを求めて呻き声をあげる…。
…仮面をつけた帝国騎士が、現れた。
その仮面を見た瞬間、俺は「あっ」と思ったが。
廊下を汚す血の海に仰天した帝国騎士達に、そんな冷静な判断を求めるのは酷というものだ。
彼らは、大量に血を流す同僚(?)を見るなり、怯えたようにぎょっとして。
しかし、それでも手を貸そうと、急いで駆け寄った。
「だ、大丈夫か…!?一体どうしたんだ、何があった?」
「た、助けてくれ…助け…」
血を流す帝国騎士(?)は、真に迫った掠れた声を出し。
それから、まるで息絶えたようにその場に崩れ落ちた。
「し、しっかりしろ!」
「し、止血しないと…!止血…!」
廊下を汚す真っ赤な鮮血を見て、明らかに動揺する帝国騎士達。
それでも、何とか応急処置しようと、ハンカチを取り出したり。
パニックに陥ったのか、ポケットティッシュを取り出している者もいた。
その大量の血、ポケットティッシュくらいじゃどうにもならないってこと、冷静に考えれば分かるはずだったが。
人間、動転すると、自分でも何してるか分からなくなるものである。
ましてや、「あいつ」の…あの真に迫った演技を見れば。
茶番だと分かっていても、「本当に大丈夫だよな?」って心配になってしまうくらいだから。
事情を知らない帝国騎士の皆さんは、そりゃもう心底パニックだろう。
…トラウマにならなきゃ良いんだけど。
「急いで、医務室に運ばなきゃ…」
「ちょっと待てよ。建物が壊されてるなら、医務室に運ぶのは危険だ」
「じゃあどうしろって言うんだよ!血が、こんなに血が出てるんだぞ!?」
「そ、そんなの俺に言われたって…!」
阿鼻叫喚。
完全に動転した帝国騎士達が、互いに理性を失って怒鳴り合っている様を見て。
「にゅっふふふ…」
「…ルレイア…お前…」
最高にご満悦な表情。
お前…完全に楽しんでるな…。
…多分、血まみれの演技をしている「あいつ」も、同じ事を考えてると思う。
すると。
「す、すぐに止血を…。…え?」
駆け寄った帝国騎士の腕を、血にまみれた「あいつ」ががっちりと掴んだ。
かと思うと、大量の出血に苦しんでいたはずの「あいつ」は、怪我をしているとは思えない俊敏な動きで起き上がり。
立ち上がりざまに、靴の踵に仕込んだスタンガンを、駆け寄った帝国騎士の首元に当てた。
バチッ、と音がした瞬間。
…ルリシヤを助けようと駆け寄った帝国騎士は、白目を剥いてその場にぶっ倒れた。
…可哀想にな。
「ひ、避難するべきか…?」
「い、いや。逃げ遅れてる人がいるかもしれない。見に行ってみよう」
さすがは、正義の帝国騎士。
逃げたいのを必死に堪えて、人命救助に乗り出そうとは。
「…ちっ」
帝国騎士の醜態を見たかったルレイアは、助けに乗り出そうとする彼らを見て、舌打ちをこぼしていた。
…良いじゃないか、ルレイア…。
しかし。
ここで、ルレイアが用意したトラップが炸裂する。
「う、うぅっ…。た、助けてくれ…!」
「!?」
助けに行こうと話し合う、帝国騎士達の前に。
帝国騎士の白い制服を、真っ赤に染めて。
ボタボタと血を流す脇腹を、苦しそうに片手で押さえ。
ふらふらと、覚束ない足取りで、助けを求めて呻き声をあげる…。
…仮面をつけた帝国騎士が、現れた。
その仮面を見た瞬間、俺は「あっ」と思ったが。
廊下を汚す血の海に仰天した帝国騎士達に、そんな冷静な判断を求めるのは酷というものだ。
彼らは、大量に血を流す同僚(?)を見るなり、怯えたようにぎょっとして。
しかし、それでも手を貸そうと、急いで駆け寄った。
「だ、大丈夫か…!?一体どうしたんだ、何があった?」
「た、助けてくれ…助け…」
血を流す帝国騎士(?)は、真に迫った掠れた声を出し。
それから、まるで息絶えたようにその場に崩れ落ちた。
「し、しっかりしろ!」
「し、止血しないと…!止血…!」
廊下を汚す真っ赤な鮮血を見て、明らかに動揺する帝国騎士達。
それでも、何とか応急処置しようと、ハンカチを取り出したり。
パニックに陥ったのか、ポケットティッシュを取り出している者もいた。
その大量の血、ポケットティッシュくらいじゃどうにもならないってこと、冷静に考えれば分かるはずだったが。
人間、動転すると、自分でも何してるか分からなくなるものである。
ましてや、「あいつ」の…あの真に迫った演技を見れば。
茶番だと分かっていても、「本当に大丈夫だよな?」って心配になってしまうくらいだから。
事情を知らない帝国騎士の皆さんは、そりゃもう心底パニックだろう。
…トラウマにならなきゃ良いんだけど。
「急いで、医務室に運ばなきゃ…」
「ちょっと待てよ。建物が壊されてるなら、医務室に運ぶのは危険だ」
「じゃあどうしろって言うんだよ!血が、こんなに血が出てるんだぞ!?」
「そ、そんなの俺に言われたって…!」
阿鼻叫喚。
完全に動転した帝国騎士達が、互いに理性を失って怒鳴り合っている様を見て。
「にゅっふふふ…」
「…ルレイア…お前…」
最高にご満悦な表情。
お前…完全に楽しんでるな…。
…多分、血まみれの演技をしている「あいつ」も、同じ事を考えてると思う。
すると。
「す、すぐに止血を…。…え?」
駆け寄った帝国騎士の腕を、血にまみれた「あいつ」ががっちりと掴んだ。
かと思うと、大量の出血に苦しんでいたはずの「あいつ」は、怪我をしているとは思えない俊敏な動きで起き上がり。
立ち上がりざまに、靴の踵に仕込んだスタンガンを、駆け寄った帝国騎士の首元に当てた。
バチッ、と音がした瞬間。
…ルリシヤを助けようと駆け寄った帝国騎士は、白目を剥いてその場にぶっ倒れた。
…可哀想にな。


