The previous night of the world revolution8~F.D.~

ーーーーー…この状況を一言で説明するなら。

阿鼻叫喚、の一言に尽きる。

うっきうきのルレイアと共に、廊下に出ると。

先程の爆発音を聞きつけた帝国騎士達が、騒然としていた。

「い、今の聞いたか!?」

「あ、あぁ。一体何の音だろう…?何か爆発したような…」

「わ、分からない…」

日常生活で、突然爆発音を聞いたら、誰でもこんな反応になる。

天下の帝国騎士だろうと、関係ない。

「き、北館の方だったか?」

「いや、東館じゃないのか?」

「俺は南館から聞こえたような…」

音の方向を測りかねて、意見がぶつかっている。

無理もない。

すると、ルレイアはにやっ、と人の悪い笑みを浮かべ。

再び、こっそりスマホの画面をタップした。

途端に、またしても爆発音が鳴り響く。

その派手な音に、俺達の近くにいた帝国騎士達は、肩を震わせてビクッ!とした。

「ま、まただ…!」

「一体何なんだ?爆弾か?爆弾なのか?」

「そ、そんなの分かる訳ないだろ」

「やっぱり今の、南館から聞こえなかったか?」

…錯綜してるな。

ルレイアは半笑いで、更にスマホを連打。

ばっこん、どっかん、ずどーん、と凄まじい音が鳴り響く。

音が鳴る度に、面白いように帝国騎士達の肩がビクッ、ビクッ、と跳ねる。

…ルレイア。完全に調子に乗ってるな。

「い、一体何処で爆発してるんだ…!?」

「逃げた方が良いんじゃないか…?」

「誰かに攻撃されてるのか!?」

騒然。

…一応言っておくが、ルレイアは何も、本当に帝国騎士団隊舎に爆弾を仕掛けた訳じゃないぞ。

あらかじめ、隊舎の中に、小さなスピーカーをいくつも仕掛けさせてもらった。

ルレイアがスマホの画面をタップするだけで、超爆音で爆発音が鳴るという仕掛けである。

それを適当に鳴らしてるに過ぎない。

さすがに、避難訓練の為に隊舎を破壊する訳にはいかないからな。

種明かしをしてしまえば、非常につまらない…単なる玩具なのだけど。

突然爆発音を聞いた帝国騎士の皆さんには、効果覿面だったようで。

何者かの攻撃を受けているのかと、青ざめて震えていた。

「ぷっ、にゅふふふ…」

「…」

見てみろ。狼狽える帝国騎士の皆さんを、ルレイアは小馬鹿にして笑っている。

…趣味悪いなぁ…お前…。

大丈夫だ、あれただの玩具だから、と帝国騎士の皆さんに教えてあげたい。

しかし、それでは訓練にならない。

種明かししたいのをぐっと堪えて、しばらくはルレイアの悪ふざけに付き合うことにする。