The previous night of the world revolution8~F.D.~

避難訓練って、事前に「避難訓練しますよー」って告知してからやるものじゃないと思うんですよね。

だって、避難が必要な災害って、いつ来るか分からないじゃないですか。

もしかしたら明日かもしれないし、一分後かもしれない。

いつ来るか分からない災害に備えて、「いざ」という時の為の訓練をする。

それが避難訓練というものです。

しかし、実際の避難訓練はどうか。

多くの小学生達にとって、避難訓練なんて精々、「合法的に授業をサボれるイベント」でしかない。

ハンカチで抑えた口は半笑いで、へらへらしながら校庭に避難し。

校長先生の長ったらしい話を、半分眠りこけながら聞く。

それが避難訓練。

これって間違ってると思うんですよね。俺。

避難訓練があることを、事前に告知したら駄目ですよ。

事実、見てください。この帝国騎士団隊長達の、間の抜けた表情。

これが避難訓練に臨む顔ですか?

毎年消化しなきゃならない、面倒な行事みたいな扱い。

…やれやれ。こんなのが帝国騎士団隊長とは。

困ったものです。

「…仕方ないですね。やる気の抜けた帝国騎士の皆さんの為に、俺が一肌脱いであげましょう」

「…?どういう意味だ?」

「本当に危機が訪れた時、帝国騎士たる者どうやって危機を回避するか…。試してあげようと言うんですよ。感謝してくださいね」

良いこと思いついちゃった。

帝国騎士団の皆さんの「避難訓練」にもなり、かつ、俺の暇潰しにもなる素晴らしい、良い方法を。

「…また悪いこと考えてる顔だな、ルレイア…」

ルルシーが、横で何か呟いてるような気がしますけど。

ちょっと聞こえませんでしたね。

俺が自分で考えた「避難訓練」について、オルタンス達に説明すると。
 
オルタンス曰く、

「ふむ…。確かに、マンネリしつつある避難訓練に、程よい刺激を与えることになりそうだな」

とのこと。

そう来なくっちゃ。

しかし、オルタンス以外の隊長達は、皆一様に青ざめていた。

「…死者、出なければ良いな…」

ルーシッドが、何やらポツリと呟いたような気がしましたが…。

ちょっと聞こえませんでしたね。

さて、そうと決まれば。

「さぁルルシー、頼もしい俺の仲間達に声をかけましょうか。きっと喜んで来てくれると思いますよ」

「ルレイア…。良いか、お前…。手加減ってものをしろよ…」

えっ?

うん。今のも、ちょっと聞こえませんでしたね。