The previous night of the world revolution8~F.D.~

「さて、このレモン汁の瓶を開けて、グラスに注いでーっと」

「おい。おいコラ。待て」

ルルシーの制止も聞かず、どぼどぼ、とレモン汁をグラスに注ぐ。

うーん。この酸味のあるツーンとした香りを嗅いでるだけで、唾の大量生産が止まりません。

「ここに、梅干しとナマのレモンの串切りを添えて…っと」

「ちょっと待てって、コラ。ルレイア」

「更に、ルリシヤ秘蔵の激酸っぱエキスを隠し味に、大さじ4杯…」

「どんだけ入れてんだ。隠し味の域を超えてるだろ!コラ!」 

「はい、これでルレイア特製、嫌がらせ激すっぱドリンクの出来上がりです」

「…嫌がらせ、って言っちゃってんじゃん…」

おっと。口が滑りました。

ビタミンC補給ドリンク、とでも言っておきましょうか。

見てるだけで口の中が酸っぱいですね。

「さて、これを隊長連中にプレゼントしてきましょうかね」

「やめろって、馬鹿。誰が飲むんだそんなもん」

そんなもん、とは失礼な。

ルレイア特製、嫌がらせビタミンC補給ドリンクですよ。

「良いですかルルシー。これはあながち嫌がらせじゃないんです。帝国騎士団の隊長達は、日頃しょーもない仕事ばかりで忙しいでしょう?」

「…そりゃお前にとってはしょーもないのかもしれないが、あいつらはあいつらで必要な仕事をしてるんだぞ」

え?ちょっと聞こえませんでしたね。

「忙しい彼らは、ついつい食事を簡単に済ませてしまって、栄養バランスが崩れがちじゃないですか」

「それはそうかもしれないけど…」

「そこで、日頃不足しがちなビタミンを補給してもらおうと思って、こちらをご用意しました」

「…一応、お前なりに考えてるんだな。…嫌がらせだけど」

え?ちょっと聞こえませんでしたね。

「良薬口に苦し、いや、口に酸っぱし、と言うでしょう?我慢して飲んでもらいましょう」

「良薬じゃないだろ。ただのレモン汁…」

「じゃ、持っていきますかー」

「コラ!待てって、ルレイア」

俺はグラスを人数分、お盆に乗せ。

るんるんと、会議室に向かった。