The previous night of the world revolution8~F.D.~

ーーーーー…その頃、帝国騎士団隊舎では。

「はい、それじゃあ…ここが、帝国騎士団隊長達が、毎週行っている隊長会議を開いている会議室になります」

全国から抽選で選ばれた十人の子供達が。

ルーシッドに案内されて、ぞろぞろと会議室に入ってきた。

神聖な帝国騎士団隊舎に、帝国騎士とは全く無関係の子供達を入れるなんて。

頭の固いアストラエア辺りは、最後まで渋い顔をしていたが。

実際この部屋に案内されたガキ共は、それは興味深そうに、室内を見渡していた。

…ルレイアの思いつきで始まったこの企画、意外と好評なようだな。

案内役として選ばれたのは、ガキ共に一番年齢が近いであろう、ルーシッドである。

歳が近いと言っても…子供らにしてみれば、ルーシッドも充分大人のお兄さんって感じだろうが…。

ちなみに、俺はルーシッドの補佐役として、一緒について回っている。

将来はこのガキ共が、未来の帝国騎士を担う…なんてこともあるのかね。

そして忘れていけないのは、これは見学イベントではなく、体験イベントであるということ。

「それじゃ、皆さん。実際に座ってみてください」

ルーシッドはガキ共を促して、会議室の椅子に座らせた。

「この部屋で我々帝国騎士団は、ルティス帝国をより良くする為に、いつも様々なことについて話し合っています」

と、説明。

多分ルレイアにこの説明を聞かせたら、失笑モノだったと思う。

…ルティス帝国をより良くする為?は?みたいな。

…建前って奴だよ。建前。

子供には夢が必要なんだ。…少なくとも、子供のうちはな。

「これから皆さんにも、ルティス帝国をより良くする為に話し合ってもらおうと思います」

と、ルーシッドが提案した。

そう。これは体験イベントなのである。

見学して終わり、ではない。

俺達帝国騎士がここで話し合っているように、お前らガキ共もそれっぽいことしてみろよ、ってな。

ルーシッドの提案に、ざわつき始める子供達。

「今日ここに集まった皆さんは、ルティス帝国をより良くする為に、どんなことをすべきだと思いますか?」

さぁどうぞ、話し合ってくださいと言われても。

子供達は互いに顔を見合わせて、困ったような顔で無言。

…まぁ、そりゃそうなるよな。

こいつらは、全国各地から抽選で選ばれたというだけで、今日が初対面。

年齢も性別もまちまちで、貴族のガキもいれば平民のガキもいる。

ルティス帝国をより良くする為に…という、テーマも抽象的だしな。

いきなり「話し合え」と言われても、お互い何を言って良いか分からないだろうな。