The previous night of the world revolution8~F.D.~

大体、さっきからアストラエアが俺のこと睨んでますけどね。

俺が悪いんじゃないですよ。

仕事を与えてくれないブラックな職場が悪いんです。

俺はブラックという色は大好きですが、ブラックな職場は御免ですよ。

「なんか仕事くださいよ。暇なんですよ俺達」

何でも良いですよ。

皆さんの困りごと、何でもズバッと解決してあげますよ。

出血大サービスです。

「仕事…と言われてもな…。お前らマフィアだから、下手に仕事を任せる訳にはいかないし…」

「かと言って、何もせずに給料もらったら、給料泥棒じゃないですか。それじゃあなた達と一緒でしょう?」

「…」

何で黙るんですか?アドルファス。

そんな渋い顔をして。何かありました?

すると、オルタンスはポンと手を打って言った。

「何かしてくれると言うなら…そうだな。俺の仕事のやる気が出るように、傍で応援してくれたら一番嬉し、」

「で、さっきから難しい顔して、何について話し合ってたんです?ちょっと見せてくださいよ」

「あ、おい」

オルタンスの寝言は無視して、俺は会議室のテーブルの上に置いてあった書類を引っ掴んだ。

ちょっと拝借。

「貴様!帝国騎士団の機密文書を…」

九番隊のユリギウスがなんか言ってたが、無視だ、無視。

俺だって今は帝国騎士なんだから、書類くらい読む権利ありますよ。ねぇ?

何なら、この時点で隊長会議に参加した、まである。

今日帰ってマリーフィアに「今日はどんなお仕事をしたんですの?」って聞かれたら。

「隊長達と、帝国騎士団の行く末を左右する重要な会議をしていました」って答えよう。

で、その機密文書が何だって?

「どれどれ…。…ほう。帝国騎士団の創立記念イベント…」

…って、めちゃくちゃ下らない内容じゃないですか。

わざわざ隠すようなことです?これ。

そこら辺を歩いている、買い物帰りのおばさんに相談しても良いレベル。

「なんて下らないことに悩んでるんですか。どうでも良い…」

「どうでも良いだと?言うに事欠いて貴様…」

と、ユリギウスは眉を釣り上げたが。

「奇遇だな…。正直、俺もどうでも良いと思ってる…」

帝国騎士団長として、あるまじき発言のオルタンスである。

分かってるじゃないですか。もう団長やめたら?

「しかし、残念ながら、これもやらなきゃならない仕事なんだ…」

「ふーん…。帝国騎士って大変なんですね」

俺は『青薔薇連合会』の幹部で良かったですよ。あっちの方がよっぽどホワイトな職場じゃないですか。

「イベントで何か企画を立ち上げなきゃならないんだが、その企画がなかなか決まらないんだ」

とのこと。

よくよく、会議室のホワイトボードを見てみると。

今のところ、会議の場に出ている企画案は3つ。

帝都大通りのパレード。

帝国騎士団の歴史展覧会。

記念パンフレットの無料配布。

以上。

「…くっそつまんね…」

おっと済みません。つい本音がポロリしちゃいましたよ。