The previous night of the world revolution8~F.D.~

というのはまぁ、最終手段にするとして。

「よし、分かりましたよ。ルルシー」

「は?」

良いことを思いつきました。

「俺達ほら、新入社員じゃないですか」

「ん?まぁ…そうだな」

「新入社員の仕事と言ったら、相場が決まってますよ

「…そうなのか?」

そうですよ。

新入社員は、まだ右も左も分からないでしょう?

そんな新入りに出来る仕事と言えば。

「お茶汲み、コピー取り、そして電話番ですよ」

「そんな…一昔、いや二昔前のOLみたいな…」

「ってな訳で、仕事しに行きましょうかー」

ルルシーとのお喋りも楽しいですけど、このままじゃ給料泥棒ですからね。

真面目に仕事しますよ、俺は。これから殺人犯を捕まえに行きます。

と言いたいところですが、そんなに都合良く殺人犯は現れてくれないので。

まず向かったのは、給湯室。

やかんにたっぷりと水を入れ、ガス台に置いて火をつける。

「さぁ、新人らしくお茶でも沸かしましょうかー」

「本当にお茶淹れるつもりなのか…?」

「え?俺は本気ですけど」

だって、他にやることもないじゃないですか。

仕事を言いつけられなくても、自発的に考えて仕事をする。

いやぁ、俺ってデキる新入社員の鑑。

「確かに俺は、以前帝国騎士団に所属していた身ですし、それに今は『青薔薇連合会』の幹部…」

他の隊長達も、俺に対して思うところはあるでしょう。

しかし。

「でも、こうして再び帝国騎士団に戻ってきたからには、オルタンスや、他の隊長達とも、仲良くやっていきたいじゃないですか」

「…ルレイア…」

ほら、あれですよ。よく求人広告に書いてある一文。

アットホームな職場です。っていうアレ。

まぁ、100%地雷ですけど。

「まずは俺が謙虚になって、皆さんにお茶を運ぶことで、皆さんとお近づきになろうと思うんですよ」

「そうか…。お前にしてはまともなこと言ってるな…」

ちょっとルルシー?「俺にしては」ってどういう意味ですか?

俺はいつだってまともですし、真面目ですよ。

全く失礼しちゃいますよね。ルルシーは俺を何だと思ってるんですか。

「…っと、そうこうしてたらお湯が沸きましたね」

火を止めて、やかんの蓋を開ける。

…さてと。

「…じゃ、激辛デスソースを入れましょうか」

「ちょっと待て」

デスソースの小瓶を取り出したところを、ルルシーにガシッと腕を掴まれて止められた。