The previous night of the world revolution8~F.D.~

ルルシーが優しいのは大変良いことですけども。

それにしたって、俺達が暇を持て余してる事実に変わりはない。

暇なものは暇です。

他の隊長達の嫌がらせくらいしか、やることないですよ。ねぇ?

「何かやってないと溶けちゃいますよ。暇過ぎて」

「そうだけど…。俺達に仕事を任せる訳にはいかないっていう、帝国騎士団側の事情もあるしな…」

あいつらの事情なんて知ったことか。

「俺は別に、仕事せずにこうしてルルシーとお喋りしてるだけで、充分幸せなんですけど…」

「…けど?」

「帰ったら、マリーフィアに聞かれるんですよ。『今日はどんなお仕事をしたんですの?』って」

あれ、めっちゃ鬱陶しいんですけど。どうにかなりません?

「どうやらあの女、帝国騎士が毎日戦隊モノのヒーローみたいな活躍をしていると思い込んでるらしくて…」

『今日はどんな悪党を成敗したんですの?』って、キラキラした目で聞かれた時は。

さすがの俺も、答えに窮しましたよ。

帝国騎士団を何だと思ってるんですか。

あれが冗談じゃなくて、真面目に聞いてるからタチが悪い。

「仕方ないから、俺は昨日、引ったくりオレオレ詐欺万引き犯を逮捕したことになってるんですよね…」

「ぶはっ…」

ほら。思わずルルシーが吹き出しちゃってるじゃないですか…。

「何だ、その設定の大渋滞は…。せめてどれか一つにしろよ」

「いや、一つだけじゃ弱いかなぁと思って…」

ただの万引き犯、ただのひったくり犯を捕まえるだけなら、その辺のポリスメンに任せておけば良いでしょう?

今日はもう…ひったくりオレオレ詐欺万引き放火犯、くらいじゃないと説得力ないですよ。

「まさか本当のこと言えないじゃないですか。ひたすらルルシーとお喋りしてただけ、なんて…」

「まぁ…そうだな…」

一応これでも?ユリーフィア母の期待(?)を背負って、帝国騎士団に戻ってきた訳ですから?

それなりの働きをしている、ことにしなきゃいけないんですよ。

「何か都合良く事件が起きないですかね?マフィアとの抗争とか」

「…マフィアは俺達だけどな…」

そうでしたね。

よし。いざとなったらルーチェスとルリシヤに攻め込んできてもらおう。

あの二人なら、良い勝負が出来ると思いません?

…え?他の団員に被害が及ぶ?

知ったことではありませんね。