The previous night of the world revolution8~F.D.~

…荒れてるな。ルレイア。

無理からぬことだが。こんなところにいたら。

俺も一緒に帝国騎士団に戻ってきて良かったと、心から思った。

ルレイアを一人にせずに済む。

「…ルレイア、だい…」

大丈夫か?と聞こうと思って、俺はやめた。

大丈夫か、と聞いたら、絶対大丈夫だと言うに決まってるからだ。

だから、代わりに。

「…大丈夫だ」

俺は、そう言ってルレイアの手を握り締めた。

「お前を一人にはしない。俺が…ちゃんと、ずっと傍についてるよ」

「…ルルシー…」

「ここにいたら、嫌でも…思い出したくないことを思い出して、辛い思いをするだろうが…。その時は言ってくれ。お前の為に出来ることがあれば、俺は何でもするから」

紛うことなき、これが俺の本心だった。

その為に、無理を言って俺も一緒にルレイアと、帝国騎士団に戻ってきたのだ。

俺だって、こんな場所には来たくなかった。ルレイアを傷つけ、裏切り、見捨てた連中と同僚になるなんて。

だけど、ルレイアを一人にする訳にはいかない。

ずっと後悔していたのだ。

ルレイアが無実の罪を着せられ、帝国騎士団を追い出された時。

俺はあの時、既に帝国騎士団を退団していた。

『青薔薇連合会』のスパイとして潜り込んだ俺だったが、危うく正体がバレかけてしまい。

このままだと捕まるのは時間の問題、というギリギリの瀬戸際で…俺の正体を知りながら、ルレイアが助けてくれた。

お陰で、俺は無事に帝国騎士団を抜け、『青薔薇連合会』に戻ることが出来たが。

しかし、そのせいで…俺は、ルレイアが無実の罪を着せられた時、傍にいてやることが出来なかった。

俺があの冤罪事件を知ったのは、全てが終わってしまった後だった。

無実の罪を着せられたルレイアは、自分の人生に絶望して、自ら命を絶とうとした…。

…幸い、自殺は失敗して、今もこうして生きているが。

あの時ルレイアは、どれほど、一人で心細かったことだろう。

あの時傍にいてやれたらと、俺はずっと後悔していた。

…もう二度と、あんな思いはしたくない。

ルレイアにも、二度とあんな辛い思いはさせない。

絶対に。

…だから。

「大丈夫だ、ルレイア。何も心配しなくて良い」

俺が傍にいるから。今度こそ。

「…えぇ、分かってますよ、ルルシー」

ルレイアはふっと微笑んで、俺の手をぎゅっと握り返した。

「あなたが隣にいてくれるから、俺は何も心配していません。不安なんか一つもありませんよ」

「…そうか」

それなら良かった。

「出来れば、このままベッドインしてくれたら、もっと元気に…」

「そうか。離れろ」

ペッ、と手を払い除けた。

そこまでするとは言ってねーよ。この馬鹿。

「ちょっとルルシー!?今そういう雰囲気だったじゃないですか。ロマンティックに!ベッドイン!」

「しねーよ、馬鹿」

調子に乗るな。

真っ昼間から、R18の話をするんじゃない。

真夜中でも御免だけどな。