The previous night of the world revolution8~F.D.~

アドルファスに案内され。

俺とルレイアは、帝国騎士隊舎の中にある一室に連れて行かれた。

「ここだよ」

「ふーん」

…以前、ルレイアが使っていた部屋ではない。

さすがにな。

当てつけのように以前と同じ部屋だったら、文句つけてやるところだった。

「やけに広いですけど」

「二人用だからな。お前らのことだから、別々の部屋より一部屋の方が都合が良いんじゃないかと思ってな」

「ほう。気が利くじゃないですか」

それは俺も思った。

ルレイアと別々の部屋にされたんじゃ、逆に気が休まらないからな。

よく見たら、ベッドも二人分用意されていた。

しかし、それを見たルレイアは。

「ちっ…。気を利かせるんだったら、ダブルベッドにしてくれれば良かったのに…」

舌打ちしながら、とんでもないことを呟いていた。

ベッドが二つ用意されていて、本当に良かった。心から感謝。

「で、俺とルレイアは、今日から何をすれば良いんだ?」

と、俺はアドルファスに尋ねた。

ルレイアの寄り道のせいで、随分遅刻してしまったが。

何か仕事があるなら、今からでもやるぞ。

しかし。

「いや、今日は何もしなくて良い。仕事を頼むのは明日からだ」
 
とのこと。

明日から、か…。

「なーんだ。それじゃあ急いで出勤する必要なかったじゃないですか」

口を尖らせるルレイアである。

あれだけ寄り道してた癖に、あれで急いでたつもりなのか。

「優雅にランチでも食べてくれば良かった。ねぇルルシー」

「…あのな、お前…」

…呆れて物が言えないよ。

それはもう、遅刻を通り越して無断欠勤だ。

「他に質問はあるか?」

「いいえ、特には」

「そうか」

ならば用は済んだ、とばかりに退室しようとしたアドルファスだが。

思い出したように、不意に足を止めた。

「…お前らも、色々と思うところはあるだろうが」

…何?

「ここにいる間は、お互い停戦ってことにしてくれないか。そうしないと、お互いに気が休まらないだろ」

「…」

アドルファスが言わんとすることは、よく分かった。

…でも、それをお前が言うのか。

かつて、無実の罪を押し付けられたルレイアを見捨てたお前達が。

「…分かってますよ」

ルレイアは、冷たくそう答えた。

…ルレイア…。

「余計なことは言わなくて良いんです。用が済んだなら、さっさと出ていってください」

「…あぁ」

アドルファスは、さっさと部屋を出ていった。

「…ちっ」

その背中を見つめながら、ルレイアは露骨に舌打ちした。