――――――…その頃、帝国騎士団では。
「…♪♪♪〜」
「…きっしょ…」
ルレイア・ティシェリーが、俺達のいる帝国騎士団に戻ってくる、その日。
オルタンスはご機嫌で、何やら忙しそう。
何処からか脚立を引っ張り出してきて、会議室の壁や廊下や窓に、黒い紙で作った花飾りを、ぺたぺた貼り付けていた。
…こいつ、勝手に会議室に何してんの?
大人しく部屋で仕事してんのかと思ったら。
「…おい、オルタンス」
「アドルファスか。丁度良かった。ちよっと手伝ってくれ」
冗談じゃねぇよ。誰が手伝うか。
それでも、脚立の上からオルタンスが手渡してきた、黒い画用紙を裏返してみると。
キラキラしたマーカーで、「お帰り。ルレイア」と書かれていた。
…何これ。推しの応援グッズ?
「折角ルレイアが帰ってくるから、歓迎会を開こうと思ってな」
キラキラマーカーと同じくらいキラキラした目で言われた。
あ、そう…。
あまりにもオルタンスが嬉しそうだから、俺としては何も言えない。
「ルレイア、って言うか…。ルルシーとかいう幹部もセットらしいけどな…」
ルレイアが帝国騎士団に復帰する直前になって、ルレイアから直接要請されたのだ。
ルルシーという、件のルレイアの相棒も一緒に、と。
何か企んでるんじゃないかと訝ったが、オルタンスはけろっとして、二つ返事で了承した。
…まぁ、ルレイアとルルシーを引き離すような真似をしたら、闇討ち不可避だからな。
下手なことは出来ない。
それに、ルルシーという幹部は、ルレイアの相棒とは思えないほど常識人みたいだし。
むしろセットで戻した方が、ルレイアの暴走を止めてくれるんじゃないか?という希望的観測もある。
ルルシーの方も、昔ルキハという名前で帝国騎士団に所属していたことがある、という経緯から。
復籍するのは、それほど面倒な手間ではなかった。
で、今日はそんな二人が帝国騎士団に戻ってくる日なのだが。
「…来ねぇな、あいつら」
時刻は、既に午前11時近くになっている。
あれ?今日からだよな?
一向に出勤してくる気配がないんだが、もしかして初日からボイコットしてるんじゃないよな?
「…♪♪♪〜」
「…きっしょ…」
ルレイア・ティシェリーが、俺達のいる帝国騎士団に戻ってくる、その日。
オルタンスはご機嫌で、何やら忙しそう。
何処からか脚立を引っ張り出してきて、会議室の壁や廊下や窓に、黒い紙で作った花飾りを、ぺたぺた貼り付けていた。
…こいつ、勝手に会議室に何してんの?
大人しく部屋で仕事してんのかと思ったら。
「…おい、オルタンス」
「アドルファスか。丁度良かった。ちよっと手伝ってくれ」
冗談じゃねぇよ。誰が手伝うか。
それでも、脚立の上からオルタンスが手渡してきた、黒い画用紙を裏返してみると。
キラキラしたマーカーで、「お帰り。ルレイア」と書かれていた。
…何これ。推しの応援グッズ?
「折角ルレイアが帰ってくるから、歓迎会を開こうと思ってな」
キラキラマーカーと同じくらいキラキラした目で言われた。
あ、そう…。
あまりにもオルタンスが嬉しそうだから、俺としては何も言えない。
「ルレイア、って言うか…。ルルシーとかいう幹部もセットらしいけどな…」
ルレイアが帝国騎士団に復帰する直前になって、ルレイアから直接要請されたのだ。
ルルシーという、件のルレイアの相棒も一緒に、と。
何か企んでるんじゃないかと訝ったが、オルタンスはけろっとして、二つ返事で了承した。
…まぁ、ルレイアとルルシーを引き離すような真似をしたら、闇討ち不可避だからな。
下手なことは出来ない。
それに、ルルシーという幹部は、ルレイアの相棒とは思えないほど常識人みたいだし。
むしろセットで戻した方が、ルレイアの暴走を止めてくれるんじゃないか?という希望的観測もある。
ルルシーの方も、昔ルキハという名前で帝国騎士団に所属していたことがある、という経緯から。
復籍するのは、それほど面倒な手間ではなかった。
で、今日はそんな二人が帝国騎士団に戻ってくる日なのだが。
「…来ねぇな、あいつら」
時刻は、既に午前11時近くになっている。
あれ?今日からだよな?
一向に出勤してくる気配がないんだが、もしかして初日からボイコットしてるんじゃないよな?


