The previous night of the world revolution8~F.D.~

…で、そんなことは心底どうでも良い訳ですよ。

それよりも、俺にとって大切なのは。

「…ようやく来たか。ルレイア」

「…る…ルルシー…」

待ち合わせ場所に向かうと、そこに、既にルルシーが来ていた。

ルルシーもまた、帝国騎士団の真っ白い制服を着て。

目立たないようにだろう、その上にグレーのジャケットを羽織って、俺を待っていた。

な…なんて素敵な…。

「ルルシぃぃぃぃっ!」

「ちょ、馬鹿。抱きつくな!人が見てるだろうが!」

そんなことどうでも良いんですよ。

誰が見ていようと関係ない。今、俺の瞳に映っているのはルルシーだけです。

「だが、まぁ…一応、元気そうで良かった」

「朝からルルシーに会えたので、俺は元気いっぱいですよ」

「そうか…。なかなか来ないから、何かあったんじゃないかと思って心配したぞ」

あぁ、それは済みません。

出掛けに、マリーフィアとメリーディアの相手をしなきゃならなかったもので。

「お待たせして済みませんでした」

「いや…良いよ。こうして元気そうな顔見られたから、それで充分だ」

聞きました?今の台詞。

完全に俺を殺しに来てますよ。

「はぁはぁ、ルルシー素敵。はぁはぁ…」

「…何妄想してるんだ。気持ち悪い」

「胸がきゅんってしました。今、胸がきゅんって」

「はいはい…」

呆れ顔のルルシー。でもその顔も素敵。  

久し振りに見るから、余計素敵に見えますね。

「そんなことは良いから、さっさと行くぞ」

「そうですね。それじゃ、朝ご飯を食べに『ブラック・カフェ』に寄って行きましょうかー」

「は…?」

おっと。驚いているようですね?ルルシー。

それもそのはず。

「最近『ブラック・カフェ』で、数量限定のモーニングメニューの販売を始めたんですよ。あ、テイクアウトも出来るんですよ」

「おい、ちょっと待て。悠長に黒カフェで朝飯食ってる場合じゃ、」

「ルルシーとリッチにブラックなモーニング…。とっても素敵ですね!」

「あ、こら」

想像しただけで、胸が高鳴りますよね。

一日の初めは、美味しい朝食から。

俺は早速ルルシーと腕を組んで、自分のお店に向かった。