The previous night of the world revolution8~F.D.~

――――――…ルレイアから電話がかかってくる、その直前。

俺の執務室には、相変わらず愉快な幹部仲間達が集まり。

「おっ、また子供が生まれましたよ。これで6人目ですね」

「今時珍しい子沢山だね」

「成人したら、仕送りがもらえますからね。今のうちにしっかり、将来の為に仕込んでおかないと」

「計画的だな」

…子供から仕送りを搾り取るって、ただの毒親じゃね?

「よし、次はアリューシャだな…。『結婚詐欺に遭って7000万喪失!』だってよ」

「あちゃー…」

「アイ公、ケッコンサギって何?」

「アリューシャは知らなくて良いんだよ。まだ早いからね」

…結婚詐欺って言ったら、今ルレイアがやってるようなことだよ。

「次はシュノ先輩だぞ」

「う、うん、任せて…。『気になる異性とデート。相手がお財布を忘れたので、自分が全額払うことになった。マイナス1000万』…」

「マジかよ。クズ男じゃん」

「確信犯だな」

…「財布忘れちゃったーテヘペロ」、で女に全額払わせるとは。

絶対付き合わない方が良いぞ。そんな男とは。

「次は俺だな。…『寝坊したので食パンを咥えて家を出たら、美少女とぶつかって一目惚れ。その女性と結婚することにした』」

「凄いね。漫画みたいだ」

「『いっけなーい、遅刻遅刻…』で本当に運命の相手に出会うとは。さすがですね」

「ふっ。これも日頃の行いだな」

…今時、食パン咥えて登校する奴って、いるのか?

都市伝説だと思ってた。

遅刻しても良いから、朝ごはんはちゃんと家で食べてから外出しなさい。

食べながら登校するなんて、恥ずかしいだろうが。

…って。

…そんなことはどうでも良い。

「…何なんだ?お前ら。最近人生ゲームにハマってるのか」

ここ最近、俺の執務室に集まるなり、人生を楽しんでいる。

幹部仲間のブームらしい。人生ゲームが。

そりゃまぁ、人気のボードゲームだけども。

世間の皆様も、まさか天下の『青薔薇連合会』の幹部達が、人生ゲームを楽しんでいるとは思ってないだろうな。

「え?だって楽しいじゃん。人生」

「あ、そう…」

そんな開き直られて言われてしまうと、俺としてはもう何も言えない。

「それにこれ、恋愛イベントがメインの『ラブラブ♡人生ゲーム』なんですよ。面白いでしょう?」

と、ルーチェス。

あぁ成程。さっきから恋愛イベントが多いなと思ってたけど、それはそういうことだったのか。

ラブラブ人生ゲームって…。他にもっと良いネーミングはなかったのかよ…。