そんなオルタンスを、アストラエアはジロリと睨んだ。
「…貴様、名誉ある帝国騎士団を穢すつもりか?」
おぉ、怖い怖い。
アストラエアにしてみれば、特別隊だろうと何だろうと。
一度でも裏社会に身を置いたことのある者を、「帝国騎士」と名乗らせることが屈辱以外の何物でもないのだろう。
気持ちが分からなくもない。
倫理的に考えれば、正義を謳う帝国騎士団が、マフィアの幹部を受け入れて良いはずがない。
…だが。
「…分からないのか?」
オルタンスは、平然とした顔でそう抜かした。
「…何が?」
「ルレイアは、自分がこうすると決めたことは、どんな手段を使っても必ず実行する男だ」
…まぁ、そうだな。
「多分ルレイアは、何らかの事情があって、帝国騎士団に戻らざるを得ない理由があるんだろう。カミーリア家の当主に命じられた、とか」
「…はぁ…」
「ルレイアが戻ると決めたのなら、どんな手段を使ってでも帝国騎士団に戻ってくるだろう。俺達が下手に拒絶したら、ルレイアが何をするか分からないぞ」
「…」
…言われてみれば。
オルタンスに言われ、ここにいる全員が想像した。
帝国騎士団に拒絶されたルレイアが、次にどんなことをするか。
「最悪、ここにいる誰かを抹殺して、空いた席にちゃっかり自分が座りかねないぞ」
「…」
…オルタンス。お前、恐ろしいことを言うな。
思わず身震いしてしまったじゃないか。
…有り得る。十二分に有り得る。
想像する。
闇に潜んだルレイアの、愛用の黒い鎌で首をスパーンと斬り落とされ。
三番隊隊長の席に、ちゃっかりとルレイアが座っている姿を。
…やべぇ。めちゃくちゃリアルに想像出来てしまった。悪夢じゃないか。
本気のルレイアに闇討ちされて、生きて日の目を見る自信がない。
俺はルレイアが戻ることに反対はしてないからな。
闇討ちするなら、反対しているアストラエアやユリギウス、それにフレイソナを狙ってくれよ。
暗殺を未然に防ぐ為にも、素直にルレイアを受け入れた方が良さそうだな。
「…決まりだな」
最早選択肢はない。
なんとまぁ…奇怪な事態に陥ったものだ。
…とりあえず、俺は関わらないようにしよう。自分の身の安全の為に。
「…貴様、名誉ある帝国騎士団を穢すつもりか?」
おぉ、怖い怖い。
アストラエアにしてみれば、特別隊だろうと何だろうと。
一度でも裏社会に身を置いたことのある者を、「帝国騎士」と名乗らせることが屈辱以外の何物でもないのだろう。
気持ちが分からなくもない。
倫理的に考えれば、正義を謳う帝国騎士団が、マフィアの幹部を受け入れて良いはずがない。
…だが。
「…分からないのか?」
オルタンスは、平然とした顔でそう抜かした。
「…何が?」
「ルレイアは、自分がこうすると決めたことは、どんな手段を使っても必ず実行する男だ」
…まぁ、そうだな。
「多分ルレイアは、何らかの事情があって、帝国騎士団に戻らざるを得ない理由があるんだろう。カミーリア家の当主に命じられた、とか」
「…はぁ…」
「ルレイアが戻ると決めたのなら、どんな手段を使ってでも帝国騎士団に戻ってくるだろう。俺達が下手に拒絶したら、ルレイアが何をするか分からないぞ」
「…」
…言われてみれば。
オルタンスに言われ、ここにいる全員が想像した。
帝国騎士団に拒絶されたルレイアが、次にどんなことをするか。
「最悪、ここにいる誰かを抹殺して、空いた席にちゃっかり自分が座りかねないぞ」
「…」
…オルタンス。お前、恐ろしいことを言うな。
思わず身震いしてしまったじゃないか。
…有り得る。十二分に有り得る。
想像する。
闇に潜んだルレイアの、愛用の黒い鎌で首をスパーンと斬り落とされ。
三番隊隊長の席に、ちゃっかりとルレイアが座っている姿を。
…やべぇ。めちゃくちゃリアルに想像出来てしまった。悪夢じゃないか。
本気のルレイアに闇討ちされて、生きて日の目を見る自信がない。
俺はルレイアが戻ることに反対はしてないからな。
闇討ちするなら、反対しているアストラエアやユリギウス、それにフレイソナを狙ってくれよ。
暗殺を未然に防ぐ為にも、素直にルレイアを受け入れた方が良さそうだな。
「…決まりだな」
最早選択肢はない。
なんとまぁ…奇怪な事態に陥ったものだ。
…とりあえず、俺は関わらないようにしよう。自分の身の安全の為に。


