「散々借りっぱなしだったから、たまには、こちらが『青薔薇連合会』の為に骨を折るべきなんじゃないかと思ってな」
「それで…ルレイアを帝国騎士団に受け入れようって?」
こくり、と頷くオルタンス。
…成程。
一応、オルタンスなりに真面目に考えてたんだな。
「そうだったのか…。俺はてっきり、お前がルレイアに会いたいから、戻ってこさせようとしてるのかと思ったよ」
「そうか。まぁ間違ってはいないな。本音の8割はそれだ」
おい。素直に感心させたままでいさせてくれよ。
「俺はルレイアに会えるし、『青薔薇連合会』に借りも返せる。一石二鳥じゃないか?」
それっぽく言ってるが、それ、お前がルレイアに会いたいだけでは?
だが、オルタンスの言っていることも間違いではないし…。
「『青薔薇連合会』への借りだと…?そんなもの、我々が考える必要はない」
「いや、でも…。逆にルレイアに脅されたらどうするんだ?これまでの借りを返せって…」
「それとこれとは、話は別だ」
「別ではないだろ…」
強固に反対するアストラエアと俺とで、危うく話し合いが暗礁に乗り上げたところ。
「…あの…それでは、折衷案として…。ルレイア殿を、特別な立場で受け入れるのはどうでしょう?」
ルーシッドが片手を上げて、そう提案した。
「…特別な立場?」
って、どういうことだ?
「ですから…ルレイア殿の為に、特例的なポジションを用意するんです。例えば、隊長は隊長でも、特務隊の隊長、とか…」
「…特務隊…」
…そんなもの帝国騎士団にはないが。
だが、特例的に「特別任務隊」を結成したことなら、過去にもある。
その昔、ルティス帝国に自然災害が起きた時。
一時的に人手の足りなくなった帝国騎士団は、既に定年等の理由で退職した元帝国騎士達を集め。
帝国騎士としての最低限の権利を与えられ、特別任務隊と称して召集されたことがある。
要約すると、「人手不足なので、本来帝国騎士じゃない人を集めて、一時的に権利を与えて帝国騎士として働いてください」ってことだ。
勿論給料は与えられるし、休暇を取る権利もある。
召集されている間は、自らを帝国騎士と名乗ることを許されるのだ。
このケースを踏襲すれば、ルレイアを帝国騎士に任命することも出来なくはない…か?
「成程…。一考の余地はあるな…」
ルレイアも当然、過去に実施された「特別任務隊」制度については知っているはず。
自分がその立場に置かれても、文句はないはずだ。
特別隊だろうが何だろうが、帝国騎士であることに変わりはないのだから。
…帝国騎士に戻ることを、ルレイア自身が承知しているなら、の話だが。
そこのところ、どうなんだろうな…。
「よし、それなら決まりだな。ルレイアを特別任務隊の隊長として迎えよう」
即断即決のオルタンスである。
…お前だけは本当に、ルレイアを帝国騎士に戻すことに超前向きだな。
かつてルレイアを帝国騎士団から追い出した張本人が。皮肉な話じゃないか。
「それで…ルレイアを帝国騎士団に受け入れようって?」
こくり、と頷くオルタンス。
…成程。
一応、オルタンスなりに真面目に考えてたんだな。
「そうだったのか…。俺はてっきり、お前がルレイアに会いたいから、戻ってこさせようとしてるのかと思ったよ」
「そうか。まぁ間違ってはいないな。本音の8割はそれだ」
おい。素直に感心させたままでいさせてくれよ。
「俺はルレイアに会えるし、『青薔薇連合会』に借りも返せる。一石二鳥じゃないか?」
それっぽく言ってるが、それ、お前がルレイアに会いたいだけでは?
だが、オルタンスの言っていることも間違いではないし…。
「『青薔薇連合会』への借りだと…?そんなもの、我々が考える必要はない」
「いや、でも…。逆にルレイアに脅されたらどうするんだ?これまでの借りを返せって…」
「それとこれとは、話は別だ」
「別ではないだろ…」
強固に反対するアストラエアと俺とで、危うく話し合いが暗礁に乗り上げたところ。
「…あの…それでは、折衷案として…。ルレイア殿を、特別な立場で受け入れるのはどうでしょう?」
ルーシッドが片手を上げて、そう提案した。
「…特別な立場?」
って、どういうことだ?
「ですから…ルレイア殿の為に、特例的なポジションを用意するんです。例えば、隊長は隊長でも、特務隊の隊長、とか…」
「…特務隊…」
…そんなもの帝国騎士団にはないが。
だが、特例的に「特別任務隊」を結成したことなら、過去にもある。
その昔、ルティス帝国に自然災害が起きた時。
一時的に人手の足りなくなった帝国騎士団は、既に定年等の理由で退職した元帝国騎士達を集め。
帝国騎士としての最低限の権利を与えられ、特別任務隊と称して召集されたことがある。
要約すると、「人手不足なので、本来帝国騎士じゃない人を集めて、一時的に権利を与えて帝国騎士として働いてください」ってことだ。
勿論給料は与えられるし、休暇を取る権利もある。
召集されている間は、自らを帝国騎士と名乗ることを許されるのだ。
このケースを踏襲すれば、ルレイアを帝国騎士に任命することも出来なくはない…か?
「成程…。一考の余地はあるな…」
ルレイアも当然、過去に実施された「特別任務隊」制度については知っているはず。
自分がその立場に置かれても、文句はないはずだ。
特別隊だろうが何だろうが、帝国騎士であることに変わりはないのだから。
…帝国騎士に戻ることを、ルレイア自身が承知しているなら、の話だが。
そこのところ、どうなんだろうな…。
「よし、それなら決まりだな。ルレイアを特別任務隊の隊長として迎えよう」
即断即決のオルタンスである。
…お前だけは本当に、ルレイアを帝国騎士に戻すことに超前向きだな。
かつてルレイアを帝国騎士団から追い出した張本人が。皮肉な話じゃないか。


