…百歩譲って。
「…ルレイアが『青薔薇連合会』から足を洗って、表社会の人間に戻った上で帝国騎士団に復帰するなら、受け入れてやれば良いと思うが…」
『青薔薇連合会』の幹部という肩書きを捨て。
ルレイア・ティシェリーじゃなく、ルシファーとして帝国騎士団に戻ってくるなら。
その時は、俺達も喜んでルシファーを帝国騎士団に迎え入れる。
…でも。
「そうじゃないんだろ?ルレイアはあくまで、ルレイアのままなんだろ?」
『青薔薇連合会』の幹部、ルレイア・ティシェリーとして帝国騎士団に戻ろうとしているなら。
それは、受け入れる訳にはいかない。…さすがにな。
「マフィアの幹部を帝国騎士に、しかも隊長格に迎えたなんて前例を作ってしまったら、後々、後世の帝国騎士達の頭痛の種になるぞ」
一度でもそのような「例外」を作ってしまったら。
このたった一度の前例のせいで、この先ずっと苦しむことになるだろう。
…俺個人としての意見では、ルレイアを迎え入れることに異論はないんだけどな。
ユリギウスやアストラエアは、露骨にルレイアを嫌悪しているようだが。
俺は別に、あいつを恨んでる訳じゃないからな。
「…私も、アドルファスの意見に賛成だ」
ルシェが、ようやく重い口を開いた。
…そうかい。
「あいつは…ルレイアは、闇の中に自分の居場所を見つけた。そんなルレイアを、今更ここに戻すのは…それは、私達の傲慢だ」
本当は、今すぐにでもルレイアに戻ってきて欲しい癖に。
帝国騎士団副団長として、反対意見を口にしない訳にはいかない。
そんなルシェの心情を思うと、思わず気分が悪くなる。
「…!そんな…皆、ルレイアが戻ってくることに反対なのか…」
「…」
「…合法的に、ルレイアと遊びに行けると思ったのに…」
皆の反対意見を聞いて、オルタンスは露骨に、しょぼーんとしていた。
…あのな、オルタンス。
仮にルレイアが戻ってきたとしても、多分お前と遊んではくれないと思うぞ。
「俺達は真面目に話してるんだよ。お前も真面目に考えてくれないか」
「考えてるぞ、真面目に。俺はいつだって真面目だ」
嘘をつけ。
思いっきりふざけてたじゃないか、今。
「皆が反対するのも分かる。だが、ここでルレイアを受け入れて、これまでの借りを少しでも返そうと思ったんだ」
「…」
本当に突然真面目に話し始めたから、反応に困る。
「これまでの借り…?」
「いくつもあるだろう?これまで俺達は、何度も『青薔薇連合会』に助けられたからな」
…まぁ、そうだな。
直近だと…ルティス帝国に共産主義の波が押し寄せた時。
あの時、あわやルティス帝国に革命が起きるところだったのを、ルレイア達が身を張って、未然に防いでくれた。
あの一件以外も、俺達は何かと、『青薔薇連合会』に借りを作っている。
…不本意だけどな。全部。
「…ルレイアが『青薔薇連合会』から足を洗って、表社会の人間に戻った上で帝国騎士団に復帰するなら、受け入れてやれば良いと思うが…」
『青薔薇連合会』の幹部という肩書きを捨て。
ルレイア・ティシェリーじゃなく、ルシファーとして帝国騎士団に戻ってくるなら。
その時は、俺達も喜んでルシファーを帝国騎士団に迎え入れる。
…でも。
「そうじゃないんだろ?ルレイアはあくまで、ルレイアのままなんだろ?」
『青薔薇連合会』の幹部、ルレイア・ティシェリーとして帝国騎士団に戻ろうとしているなら。
それは、受け入れる訳にはいかない。…さすがにな。
「マフィアの幹部を帝国騎士に、しかも隊長格に迎えたなんて前例を作ってしまったら、後々、後世の帝国騎士達の頭痛の種になるぞ」
一度でもそのような「例外」を作ってしまったら。
このたった一度の前例のせいで、この先ずっと苦しむことになるだろう。
…俺個人としての意見では、ルレイアを迎え入れることに異論はないんだけどな。
ユリギウスやアストラエアは、露骨にルレイアを嫌悪しているようだが。
俺は別に、あいつを恨んでる訳じゃないからな。
「…私も、アドルファスの意見に賛成だ」
ルシェが、ようやく重い口を開いた。
…そうかい。
「あいつは…ルレイアは、闇の中に自分の居場所を見つけた。そんなルレイアを、今更ここに戻すのは…それは、私達の傲慢だ」
本当は、今すぐにでもルレイアに戻ってきて欲しい癖に。
帝国騎士団副団長として、反対意見を口にしない訳にはいかない。
そんなルシェの心情を思うと、思わず気分が悪くなる。
「…!そんな…皆、ルレイアが戻ってくることに反対なのか…」
「…」
「…合法的に、ルレイアと遊びに行けると思ったのに…」
皆の反対意見を聞いて、オルタンスは露骨に、しょぼーんとしていた。
…あのな、オルタンス。
仮にルレイアが戻ってきたとしても、多分お前と遊んではくれないと思うぞ。
「俺達は真面目に話してるんだよ。お前も真面目に考えてくれないか」
「考えてるぞ、真面目に。俺はいつだって真面目だ」
嘘をつけ。
思いっきりふざけてたじゃないか、今。
「皆が反対するのも分かる。だが、ここでルレイアを受け入れて、これまでの借りを少しでも返そうと思ったんだ」
「…」
本当に突然真面目に話し始めたから、反応に困る。
「これまでの借り…?」
「いくつもあるだろう?これまで俺達は、何度も『青薔薇連合会』に助けられたからな」
…まぁ、そうだな。
直近だと…ルティス帝国に共産主義の波が押し寄せた時。
あの時、あわやルティス帝国に革命が起きるところだったのを、ルレイア達が身を張って、未然に防いでくれた。
あの一件以外も、俺達は何かと、『青薔薇連合会』に借りを作っている。
…不本意だけどな。全部。


