そりゃまぁ、こいつらにしてみれば。
『青薔薇連合会』の幹部が帝国騎士団に入るなんて、言語道断だろう。
普通に考えたら、当たり前のことだ。
…普通に考えたら、な。
でも…あのルレイア・ティシェリーという男は、普通ではない。
「穢らわしい…!マフィアの幹部など帝国騎士団に入れようものなら、我らは末代まで笑い者だぞ」
「えっ、そうなのか?」
オルタンス。お前のそれ、素の反応なのか?
「ふざけるな!これは帝国騎士団の名誉と威信の問題なのだぞ」
「そうか…。その名誉と威信のせいで、ルレイアは人生を歪められたんだがな」
「…」
…その通りだ。
よく分かってるじゃないか。
「…むしろ、名誉がどうと言うなら、ルレイア殿を帝国騎士団に迎え入れることこそ、名誉を守ることに繋がるんじゃないか?」
リーヴァが口を開いて、そう言った。
「…!何を血迷ったことを…」
「ルレイア殿は、冤罪で帝国騎士団を追われたんだ。あの事件がなければ、恐らくルレイア殿は今でも、この場所にいたんじゃないのか」
…そうだろうな。
俺達と共に、この会議室の中で、一緒に肩を並べていただろう。
きっと今頃、立派な帝国騎士団の隊長として、貫禄が出ていただろうに。
「不当に奪われた権利を、ルレイア殿に返す…。そう思えば、彼が戻ってくることは、それほどおかしな話ではないように思うが…」
「…馬鹿な…。経緯はどうあれ、今の奴がマフィアの幹部であることに変わりはない」
「…それは…」
吐き捨てるように言う、ユリギウスの気持ちもよく分かる。
更に。
「俺も反対だ。犯罪者を帝国騎士に取り立てるなど、国民達がそのようなことを知れば、何と思われるか」
七番隊隊長のフレイソナが言った。
「一度でも罪を犯した者は、帝国騎士になる資格がないと?」
「そういう問題ではない。帝国騎士団は完全実力主義。本当にルレイア・ティシェリーが帝国騎士団に戻ってきたら、ここにいる我々は全員、一段回降格することになるだろう」
…確かに。
ルレイアがかつてルシファーだった時、あいつは四番隊の隊長だった。
そして今のルレイアは、確実にあの時より強い。
完全実力主義の掟に従えば、ルレイアが帝国騎士団に戻ってきたら、すぐに隊長に任命しなければならない。
…下手したら今のルレイアは、オルタンスよりも強いのでは?
ってことは、最悪の場合…。
「…帝国騎士団長ルレイア・ティシェリー爆誕、ってことになる訳か」
想像して、俺は背筋が冷たくなったが。
「…それはそれで見てみたい気がするな」
オルタンスは、ポツリとそう呟いた。
おい、やめろ。
もしそうなったら、お前も降格することになるんだぞ。分かってるか?
「馬鹿なことを…!マフィアの幹部が帝国騎士団の隊長を務めるなど、絶対にあってはならない!」
「その通りだ。帝国騎士団の威信にかけて、そのようなことは絶対に許されない」
「帝国騎士団が『青薔薇連合会』に乗っ取られることになったら、我々はどう責任を取るつもりだ?」
強固として反対する、ユリギウス、アストラエア、そしてフレイソナ。
…まぁ、今回ばかりは、こいつらの意見が正しい。
降格するのが嫌なんじゃないぞ。そんなことは別に良い。
ただ、マフィアの幹部を帝国騎士団に迎え入れたなどと国民達に知られたら。
俺達の名誉(笑)と威信(笑)は、それこそ地に堕ちるぞ。
そうなると、もう草を生やして笑っていられない事態に陥る。
『青薔薇連合会』の幹部が帝国騎士団に入るなんて、言語道断だろう。
普通に考えたら、当たり前のことだ。
…普通に考えたら、な。
でも…あのルレイア・ティシェリーという男は、普通ではない。
「穢らわしい…!マフィアの幹部など帝国騎士団に入れようものなら、我らは末代まで笑い者だぞ」
「えっ、そうなのか?」
オルタンス。お前のそれ、素の反応なのか?
「ふざけるな!これは帝国騎士団の名誉と威信の問題なのだぞ」
「そうか…。その名誉と威信のせいで、ルレイアは人生を歪められたんだがな」
「…」
…その通りだ。
よく分かってるじゃないか。
「…むしろ、名誉がどうと言うなら、ルレイア殿を帝国騎士団に迎え入れることこそ、名誉を守ることに繋がるんじゃないか?」
リーヴァが口を開いて、そう言った。
「…!何を血迷ったことを…」
「ルレイア殿は、冤罪で帝国騎士団を追われたんだ。あの事件がなければ、恐らくルレイア殿は今でも、この場所にいたんじゃないのか」
…そうだろうな。
俺達と共に、この会議室の中で、一緒に肩を並べていただろう。
きっと今頃、立派な帝国騎士団の隊長として、貫禄が出ていただろうに。
「不当に奪われた権利を、ルレイア殿に返す…。そう思えば、彼が戻ってくることは、それほどおかしな話ではないように思うが…」
「…馬鹿な…。経緯はどうあれ、今の奴がマフィアの幹部であることに変わりはない」
「…それは…」
吐き捨てるように言う、ユリギウスの気持ちもよく分かる。
更に。
「俺も反対だ。犯罪者を帝国騎士に取り立てるなど、国民達がそのようなことを知れば、何と思われるか」
七番隊隊長のフレイソナが言った。
「一度でも罪を犯した者は、帝国騎士になる資格がないと?」
「そういう問題ではない。帝国騎士団は完全実力主義。本当にルレイア・ティシェリーが帝国騎士団に戻ってきたら、ここにいる我々は全員、一段回降格することになるだろう」
…確かに。
ルレイアがかつてルシファーだった時、あいつは四番隊の隊長だった。
そして今のルレイアは、確実にあの時より強い。
完全実力主義の掟に従えば、ルレイアが帝国騎士団に戻ってきたら、すぐに隊長に任命しなければならない。
…下手したら今のルレイアは、オルタンスよりも強いのでは?
ってことは、最悪の場合…。
「…帝国騎士団長ルレイア・ティシェリー爆誕、ってことになる訳か」
想像して、俺は背筋が冷たくなったが。
「…それはそれで見てみたい気がするな」
オルタンスは、ポツリとそう呟いた。
おい、やめろ。
もしそうなったら、お前も降格することになるんだぞ。分かってるか?
「馬鹿なことを…!マフィアの幹部が帝国騎士団の隊長を務めるなど、絶対にあってはならない!」
「その通りだ。帝国騎士団の威信にかけて、そのようなことは絶対に許されない」
「帝国騎士団が『青薔薇連合会』に乗っ取られることになったら、我々はどう責任を取るつもりだ?」
強固として反対する、ユリギウス、アストラエア、そしてフレイソナ。
…まぁ、今回ばかりは、こいつらの意見が正しい。
降格するのが嫌なんじゃないぞ。そんなことは別に良い。
ただ、マフィアの幹部を帝国騎士団に迎え入れたなどと国民達に知られたら。
俺達の名誉(笑)と威信(笑)は、それこそ地に堕ちるぞ。
そうなると、もう草を生やして笑っていられない事態に陥る。


