カミーリア家、つったな。
言わずもがな、ルティス帝国上級貴族の家柄の一つだ。
カミーリア家と言えば…昔から国内の鉱山の採掘権を所有し、宝石を売買する生業をしてきた…。
確か、カミーリア家の宝物庫には、『ローズ・ブルーダイヤ』なんて御大層な名前の、青い宝石が眠っているとか。
俺は見たことないし、何なら、カミーリア家が家の威信を守る為に流した都市伝説だと思っている。
そして、ルレイアと言えば…先日、ウィスタリア家に戻って、しかもその後、カミーリア家の次女と結婚したとか…。
…まさか。
「…貴族に戻るだけじゃなくて、今度は帝国騎士団にも戻ってくるってことか?」
「あぁ、そうだ」
…やっぱり、そういうことなのか。
…正気か?
ルレイアも…オルタンスも、ルシェも。
「ルレイアが帝国騎士団に戻ってくるなんて、何年ぶりだろうな。実に楽しみだ。歓迎パーティを開っ、」
「…お前、それ本気で言ってるのか?」
もしそうだとしたら、俺はお前の神経を疑うぞ。
円満退職した元社員が以前の職場に戻ってくる。とは訳が違うんだよ。
「俺はいつだって本気だが」
「あぁそうか。お前の冗談は笑えないな」
「…アドルファス、何を怒ってるんだ?」
何を怒ってる?何を怒ってるだって?
…当たり前だろうが。
「お前、自分がかつてルレイアに…いや、ルシファーに…何をしたのか忘れたのか?」
当時帝国騎士団四番隊隊長だったあいつを、ローゼリア元女王暗殺未遂事件の犯人に仕立て上げ。
無実の罪で汚名を着せ、あいつを身一つで帝国騎士団から、そして実家のウィスタリア家からも追い出した。
オルタンスは、あいつが冤罪だということを知っていながら。
王族の名誉、なんてクソッタレなものを守る為に、ルシファー一人に全ての責任を背負わせたのだ。
そして、絶望したルシファーはルレイアとなり、『青薔薇連合会』の幹部となった。
あいつの人生を狂わせた元凶が。
どのツラをさげて、また帝国騎士団に歓迎するというのだ。
ルレイアもルレイアだ。一体何を考えて、自分を裏切った組織に戻ろうとしてるんだ?
「忘れてはいない。むしろ、そのことを後悔しているからこそ、ルレイアを再び帝国騎士団に迎え入れたいと思ってるんだ」
「お前…!どの口で…」
「それに、これはカミーリア家の当主、ユリーフィア・レーヌ・カミーリアの頼みだ。自分の娘婿を帝国騎士団に戻してくれ、とな」
「…」
カミーリア家の当主に頼まれたから、ホイホイOKしたってことか?
…果たして、それはルレイアの了承を得た上でやったことなのか…?
目を白黒とさせていると、我に返った他の隊長達が口々に声を上げた。
「…冗談ではない…!」
「帝国騎士団団長ともあろう者が、何を血迷ったことを…」
九番隊のユリギウスと、五番隊のアストラエアが言った。
全くだ。もっと言ってやってくれ。
言わずもがな、ルティス帝国上級貴族の家柄の一つだ。
カミーリア家と言えば…昔から国内の鉱山の採掘権を所有し、宝石を売買する生業をしてきた…。
確か、カミーリア家の宝物庫には、『ローズ・ブルーダイヤ』なんて御大層な名前の、青い宝石が眠っているとか。
俺は見たことないし、何なら、カミーリア家が家の威信を守る為に流した都市伝説だと思っている。
そして、ルレイアと言えば…先日、ウィスタリア家に戻って、しかもその後、カミーリア家の次女と結婚したとか…。
…まさか。
「…貴族に戻るだけじゃなくて、今度は帝国騎士団にも戻ってくるってことか?」
「あぁ、そうだ」
…やっぱり、そういうことなのか。
…正気か?
ルレイアも…オルタンスも、ルシェも。
「ルレイアが帝国騎士団に戻ってくるなんて、何年ぶりだろうな。実に楽しみだ。歓迎パーティを開っ、」
「…お前、それ本気で言ってるのか?」
もしそうだとしたら、俺はお前の神経を疑うぞ。
円満退職した元社員が以前の職場に戻ってくる。とは訳が違うんだよ。
「俺はいつだって本気だが」
「あぁそうか。お前の冗談は笑えないな」
「…アドルファス、何を怒ってるんだ?」
何を怒ってる?何を怒ってるだって?
…当たり前だろうが。
「お前、自分がかつてルレイアに…いや、ルシファーに…何をしたのか忘れたのか?」
当時帝国騎士団四番隊隊長だったあいつを、ローゼリア元女王暗殺未遂事件の犯人に仕立て上げ。
無実の罪で汚名を着せ、あいつを身一つで帝国騎士団から、そして実家のウィスタリア家からも追い出した。
オルタンスは、あいつが冤罪だということを知っていながら。
王族の名誉、なんてクソッタレなものを守る為に、ルシファー一人に全ての責任を背負わせたのだ。
そして、絶望したルシファーはルレイアとなり、『青薔薇連合会』の幹部となった。
あいつの人生を狂わせた元凶が。
どのツラをさげて、また帝国騎士団に歓迎するというのだ。
ルレイアもルレイアだ。一体何を考えて、自分を裏切った組織に戻ろうとしてるんだ?
「忘れてはいない。むしろ、そのことを後悔しているからこそ、ルレイアを再び帝国騎士団に迎え入れたいと思ってるんだ」
「お前…!どの口で…」
「それに、これはカミーリア家の当主、ユリーフィア・レーヌ・カミーリアの頼みだ。自分の娘婿を帝国騎士団に戻してくれ、とな」
「…」
カミーリア家の当主に頼まれたから、ホイホイOKしたってことか?
…果たして、それはルレイアの了承を得た上でやったことなのか…?
目を白黒とさせていると、我に返った他の隊長達が口々に声を上げた。
「…冗談ではない…!」
「帝国騎士団団長ともあろう者が、何を血迷ったことを…」
九番隊のユリギウスと、五番隊のアストラエアが言った。
全くだ。もっと言ってやってくれ。


