The previous night of the world revolution8~F.D.~

「メリーディアさんにお土産は?何を買ってきてあげたんですか」

「お姉様に?いえ、何も買ってませんわよ?」

何を当たり前のことを、と言わんばかりの態度。

自分は散々豪遊して、目に入るもの全部買ってきた癖に。

姉であるメリーディアに対しては、ショートケーキ一つ買ってこなかったと。

うわぁ…。ナチュラルいじめ…。

他人事とはいえ、さすがに気分悪いですよ。こういうのを見せられたら。

しかもマリーフィアは、メリーディアに土産を買ってこなかったことを恥じるどころか。

「お姉様は冷たい方ですわ。わたくしに優しくしてくれなかったのに、どうしてわたくしがお姉様に優しくしなきゃいけませんの?」

ツン、とそっぽを向いて、そう言い放った。

「自分の宿題は自分でやりなさい」と叱った姉に対して、「優しくない」とは。

この女が、いかに甘やかされてきたかよく分かるな。

そりゃメリーディアも卑屈になる訳だ。

こんな我儘妹がちやほやされて、自分は冷たい扱いを受けたら…。

誰だって、性格が歪みもするだろう。

むしろ、メリーディアは優しいですよ。

「…メリーディアさんは、冷たくありませんよ」

「え?」

「さっき、俺がレポートを書いていたら、メリーディアさんが訪ねてきたんですよ。マリーフィアさんを手伝うつもりだったそうです」

冷たく突き放してはみたものの、マリーフィアのことが心配だったのだろう。

まぁ、当のマリーフィアは、優雅にショッピングに出掛けていたそうですが?

「口では突き放すようなことを言いながら、マリーフィアさんを心配してくれてたんですよ」

「まぁ、そうなんですの?…手伝うつもりがあったなら、最初からやってくだされば良かったのに…」

だってさ。

お前の面の皮の厚さは、銃弾防げそうなレベルだな。

「まぁ、そんなことは良いですわ。わたくし、疲れたのでお茶を飲みたいですわ」

遊び疲れただけだろ?

「一緒にケーキを食べましょう、ルナニアさん。天気も良いことですし、中庭で」

「良いですね。行きましょう」

内心、腸が煮え繰り返る思いだったが。

そんな態度はおくびにも出さず、俺はにっこりと微笑んで、マリーフィアに付き合って中庭に向かった。

あー、気分悪い。