The previous night of the world revolution8~F.D.~

俺はパソコンの前から立ち上がって、面食らっているメリーディアの真正面を向いた。

「あなたは、もっと寡黙な人なのかと思ってました。意外と喋るんですね」

「な…何を言い出すの?いきなり…」

「いえ…。これまで、全然俺とは目も合わせてくれなかったので、メリーディアさんがお話してくれるのが嬉しくて」

まぁ、話の内容はとても楽しいことではないけどな。

そんなことは関係ない。

メリーディアが、俺に対して自分の身の上を打ち明けてくれた。ここが重要なのだ。

本当に嫌いな相手だったら、そもそも話をしようとも思わないだろう?無視すれば良いだけのこと。

それなのにわざわざ、長々と俺に身の上話をするってことは。

完全に脈なしって訳じゃないのだ。

付け入る隙はある。

「あなたが誰の子供だろうと、メリーディアさんはメリーディアさんでしょう?もっと、自分に自信を持ってください」

「…それは…」

「メリーディアさんには、メリーディアさんにしかない良いところがたくさんありますよ。生まれは変えられないけど、大事なのは、自分が何を為すかです」

『青薔薇連合会』を見てみろ。

下は貧民街出身から、上はベルガモット王家の王子様まで、様々な出自の者が集まっているが。

今となっては、各々がすっかり馴染んでいる。

「あ、あなた…」

「また懲りずに、話しかけてくださいね。俺もそうしますから」

俺は、にっこりと「業務用」の笑顔を見せた。

どうです。

メリーディアの俺に対する好感度が、一段回アップしたような気がするだろう?

予想外の不意打ち攻撃を食らったメリーディアは、しばし目を白黒させていたが。

「…っ…」

「あ」

そのまま、逃げるようにマリーフィアの部屋を出ていった。

逃げられてしまいましたか。

まぁ、問題ない。最低限の目的は達した。

俺は改めて机に付き、レポートの続きを書き始めた。

いやぁ、良い仕事をしたら良い気分になれますね。

お陰で、レポートの進捗も絶好調ですよ。