The previous night of the world revolution8~F.D.~

今回のレポート課題のテーマと様式が、細かく指定されていた。

課題のテーマは、「王家の歴史について」だそうだ。

かなりざっくりとしたテーマだな。

このテーマについて、レポート10枚をパソコンで打って、印刷して提出せよ、とのこと。

レポートの提出期限を見たところ、本当に明日だった。

おまけに、プリントにちゃんと書いてあった。

提出必須。未提出の場合単位は認められない。って。赤字で。太字で。

この馬鹿。ここまでちゃんと勧告してくれるのに、よく今日まで放置していたな。

やっぱり手伝うのやめようかな。

「成程、王家の歴史ですか…」

「えぇ、そうですの」

「マリーフィアさんって、何学部なんですか?」

俺が潜入したのは、教育学部だったけど。

こんな課題は、一度も出たことなかったぞ。

「わたくしは、歴史文学部ですわ」

ちょっと自慢げに答えた。

課題を放置してた奴が、偉そうに言うな。

歴史文学部、ね…。そういや、そんな学部もあったっけ…。

いかにも貴族様って感じだ。

歴史文学部の学生の割には、屋敷の書庫を全く使ってないようだが。

お前、大学に何しに行ってんだ?真面目に通え。そして勉強しろ。

「でも、良かったですわ。お姉様に助けてもらえなくて、一時はどうなることかと思いましたけど…。ルナニアさんが助けてくれましたわ」

「…」

現金なマリーフィアは、胸の前で両手をぱちんと合わせて、明るい笑顔。

「やっぱり、ルナニアさんはお姉様とは違って、頼りになりますわ」

「…そうですか…」

メリーディアが気の毒になってきた。

絶対、こんなこと言われる筋合いないだろ。

とりあえず、メリーディアは一発、マリーフィアをぶん殴っても許されると思うぞ。

しかも、あろうことかマリーフィアは。

「それじゃ、ルナニアさん。レポートのことはお願いしますわね」

…は?

「わたくし、これからお母様とお買い物に行く約束をしてるんですの。行ってきますわね」

…はぁ?

…まさか、この女。

「あ、ちゃんとルナニアさんにもお土産を買ってきますから、安心してくださいな」

何も安心出来ないんだが、何言ってるんだこの女は。

「じゃあ、後のことは頼みましたわ」

と言って、マリーフィアは笑顔で、そそくさと退室。

…。

…やっぱりあの人、一回留年すべきなんじゃないですか?