The previous night of the world revolution8~F.D.~

メリーディアは何も悪くない。むしろ、これまで何回も手伝ってやったことに、感謝こそされ。

責められるいわれは、全くないはずなのに。

「それなのに…今回は自分でやれ、って突っぱねるんですの。あまりに冷たくて、ついわたくしも声を荒らげてしまったんですの…」

あくまで被害者面のマリーフィア。
 
正真正銘のクズだぞ、この女。

こういう性根の腐った人間は、一回留年して、恥をかいて、心を入れ替えて講義に出席しろ。

「お姉様が手伝ってくれなかったら、わたくし、レポート課題をどうしたら良いんですの…」

いや、自分でやれよ。

ここでこうして、グズグズ文句言ってる間にやれよ。

「こうなったら、覚悟を決めてやるしかないでしょう。大丈夫ですよ、地道に頑張れば、マリーフィアさんだって…」

「それが、地道にやっている暇はありませんの。提出期限、明日ですから」

「…」

…お前、夏休みの宿題は8月31日まで放置するタイプだな。

明日、って。

やっぱりもう、諦めて留年したら?

お前は一回地獄を見た方が良いよ。

いくなんでも、大学舐め過ぎだろ。

「だからお姉様に助けを求めたのに、お姉様は助けてくださらなくて…」

何で被害者面なんですか?

手伝ってくれない姉が悪い、と?

どう考えても、今日に至るまで課題を放置し続けた自分が悪いだろ。

このお嬢様は、自分にとって都合の悪いことを、他人に擦り付けることが特技であるらしい。

世間では、そういう人間のことをクズと呼ぶ。

このクズ女。

しかし、こんなクズでも、カミーリア家の次女なんですよ。

マリーフィアの信頼を得て、何とかカミーリア家の宝物庫に近づく必要がある。

俺にとっては、この状況は利用価値がある。

メリーディアには悪いが、これは俺の株を上げるチャンスだ。

「分かりました。じゃあ、俺が手伝いますよ」

「えっ…?」

地獄に仏、と言わんばかり。

マリーフィアの表情が、希望に輝いた。

「こう見えても、俺も以前、一時期ルティス帝国総合大学に通っていたことがあるので。力になれると思います」

「本当ですの?まぁ、ルナニアさん。嬉しいですわ」

あっそう。

「見せてくれますか?どんな課題なんです?」

「えぇと…。ちょっと待ってくださいませね…。あった、これですわ」

マリーフィアは、引き出しのファイルにしまわれていた、課題レポートのプリントを取り出し、こちらに手渡した。

どれどれ。