The previous night of the world revolution8~F.D.~

場所を移動して。

「それで…マリーフィアさん、さっきお姉さんと何の話をしてたんですか?」

「それが…。その…」

もじもじ。

もじもじするな。さっさと言え。

「わたくし…ルティス帝国総合大学に通ってるんですの。ルナニアさん、ご存知でした?」

大学?

「あぁ…。そういえば、そうでしたね…」

全然大学に行ってる様子なくて、大抵家でのんびりしてるから。

もう単位はほとんど取って、あとは卒業を待つだけなのかと思っていたが…。

「ほら、最近色々ありましたでしょう?結婚式や、新婚旅行や…」

「…まぁ、そうですね」

「それで、つい大学を後回しにしてしまったんですの…。…そうしたら…」

「…はい」

「ちょっと、その…講義の出席日数が足りなくて…。それに、提出必須のレポート課題が出されていたのを忘れてしまってて…」

「…」

話の雲行きが、非常に怪しくなってきた。

「気づいたら、もう期限が迫っていて…。急がないと、必修科目の単位を落としてしまうことになってしまって…」

「…はぁ…そうなんですか…」

「そうなったら困るでしょう?」

そうですね。

自業自得だと思いますけどね。完全に。

「カミーリア家の息女たる者、単位を落として留年なんてことになったら、体裁が悪いですわ」

一人前に貴族としてのプライドがあるなら、課題くらい忘れずにやれよ。

頭悪いのか?この女。

俺でさえ、『ルティス帝国を考える会』の偵察の為に、ルティス帝国総合大学に潜入していた頃は、課題くらい真面目にやってたぞ。

「切羽詰まって困ってしまったので、わたくし、お姉様に課題をやってもらおうと思って」

「…」

「さっき頼みに行ったんですけど、断れてしまったんですの…」

残当。

メリーディアに禿同。

「お姉様は、わたくしが困っているのに助けてくれないんですのよ。冷たい方ですわ…」

涙目でメリーディアの非情さを訴えているが。

メリーディアには何の罪もない。課題くらい自分でやれ。

「まぁ…突然『課題をやってくれ』なんて頼まれたら、びっくりするのは当然でしょうね…」

しまった。つい本音が。

これでもかなりオブラートに包んだ方だぞ。

本当は、「お前頭おかしいのか。自分でやれ愚か者めが。そして留年してしまえ」くらい言いたいんですよ。

それを必死に我慢してるんです。

しかし、マリーフィアは。

「それは大丈夫ですわ。これまで、何回もお姉様に課題を頼んだことがありますから。初めてじゃありませんの」

常習犯。

それ、自慢げに言うことじゃないからな。

何が「大丈夫」なんだ?

ルティス帝国総合大学の教授に密告してやろうか。むしろ、それがマリーフィアの為なのでは?